歌手・中島美嘉の名曲「雪の華」から生まれたストーリーを映画化し、現在ヒット中の映画『雪の華』。幼い頃から病弱で、余命1年の宣告を受けながらも憧れの地・フィンランドに行くことを夢見る美雪(中条あやみ)は、ひったくりから助けてくれた悠輔(登坂広臣)の働く店の危機を知り、「私が出します、100万円。その代わり1カ月間、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。

トップスター同士のピュアな恋愛物語が話題を呼んでいる同作だが、ポイントとなるのは美しいフィンランドの風景! 夏・冬、2回にわたって行われたというフィンランドロケが、物語におとぎ話のような、優しくてかわいい雰囲気を与えている。美雪がどうしても…と病気を押してでも行ったフィンランド、観終わった後「行きたい!」と思った人も多いだろう。今回は、橋本光二郎監督とともに伺った同作のツアーを体験し、実際にフィンランドのロケ地を紹介していく。

  • 左から登坂広臣、中条あやみ

成田空港からフィンランドの首都ヘルシンキへは、フィンエアー(フィンランド航空)の直行便で9時間30分ほど。11時55分の便に乗ると、到着は現地時間の15時10分となる。1月は日照時間も短く、すでに日が沈みかけているが、それがまた幻想的な雰囲気を醸し出している。

夏編で美雪と悠輔が泊まるのが、ヘルシンキ市街地のホテル・GLO Hotel Art。互いに惹かれ合いながらも、なかなか素直になれない2人のキュンキュンするシーンが撮影された。石造りが美しい同ホテルは、まるで古城のようで、撮影に臨んだ中条も「かわいい!」と喜んでいたとか。

  • Glo Hotel Art

ドレスアップした美雪が階段を降りてくる…というシーンは、オードリー・ヘップバーンが『ローマの休日』で階段を降りてくるシーンをイメージ。

  • ホテル内にはサウナも

  • 1階には、スタッフ・キャストが集っていたというテレビのある部屋が

階段を登っていくと、3階に作中で2人がそれぞれの部屋に入っていく向かい合った扉がある。作中でもとても切なく印象的なシーンだが、扉の先は実は……会議室! しかし、ぜひホテルに泊まった際には2人の姿を再現してみてほしい。残念ながら美雪の部屋は特別にホテル内に作られたセットで、現在泊まることはできないが、ワンシーンだけ出てくる悠輔の部屋は実在するという。401号室を予約すれば、悠輔の気持ちになれるかも!?

2人が泊まるホテルを探すため、フィンランド中をロケハンしたという橋本光二郎監督は「今のフィンランドのデザインは、シンプル・シックでかっこいい感じのものが多くて。ちょっと2人の冒険感や、異国に来た感じを演出したかった」と明かす。「ここが1番、フィンランドのかわいらしい造形があって素敵なんじゃないか」と選ばれたのがこのホテルだった。

ちなみに、撮影中はキャスト・スタッフ陣も宿泊していたこのホテル。朝食もきっと同じものを食べていたはず。