――大作でベテラン勢に囲まれて……ということも多かったと思いますが、今回同世代のみなさんが集まったのはいかがでしたか?
同世代が集まることで、絶対に意識も変わってくると思うんです。それぞれ、ベテランの方の多い現場で揉まれている人たちが集まった時、良い意味で個々が尖っていました。誰も立ち止まることがなく演技を追求して、全速力で突っ走っていました。あの時にしか撮れない瞬間を切り取っていただいているな、と思います。
だからこそ、今、このメンバーが集まって全く同じものを撮ろうといっても、絶対に無理だと思うんです。会議室のシーンなんてずっと長回しで、しかも順撮りだったので、一人一人の心情の変化が露骨に出ていました。さらに堤監督はが本当にすごいなあと……。これだけ役者が尖ってるのに、絶対にまとめてくださる。だからのびのびとやれてて、新しさも出せるんだと思いました。
――お話を聞いていると、橋本さんがご自身でそういうところを把握しているところもすごいなと思いまして、ふだんから俯瞰して見ているようなところはあるんですか?
"秋川莉胡"として、というのはあると思います。でも私自身も、いつも客観的に見ることを意識しています。自分に依存しないように、というのは心がけています。
――先ほども話に出てきた、堤監督についてはどのような印象でしたか?
ずっとご一緒したいと思っていた監督だったので、すごく嬉しかったです。しかも撮り方が独特で。1度みんなの芝居を作ったら、あとはモニターからマイク越しで指示されますし、編集の人がずっといて、撮った映像を次の日に見せてくださるんです。だから、撮ったものを見た中で「次はこうしよう」と進んでいけて、一人一人の意識も高かったと思います。「一緒に作っていこう」という感覚が強かったです。
■新田真剣佑に感じた"天才"性
――最後に、今回みなさんに番号を引いていただいて、出てきた方について「〇〇な人」という言葉で語ってもらっているんです。こちらを引いていただければ……。
5番、まっけん(新田真剣佑)だ! まっけんは誰だったんですか?
――新田さんは高杉さん、黒島さんは北村さんについて語っていただきまして、橋本さんはまだ出てきていないです。
出てないんですか! 気になります(笑)。新田さんは……天才肌で、「オリジナルの世界観を持ってる人」かな。何が、と具体的にはわからないんですが、ずば抜けていました。すごく変わってるし、"新田さん流"が強くて、天才。あれができる人って、絶対いないと思います! 多分、自分のことを全て理解しているんじゃないかな?
今回演じたシンジロウを見て、最初は「全然イメージと違う」と感じました。だけど、それがまっけん自身の中にもある部分なんだろうな、と思うと、さらに深みが増して見えました。
――お芝居の面で世界観を感じたんですか? それとも性格の面で思われたんですか?
お芝居の面でも独特だし、性格的にも「変わった人だなあ」と思います(笑)。普通じゃないところが、本当にすごい。でも、すごく悩む人なんだろうな、とも思いました。悩みながら自分流の生き方を貫いて、それでも空回りしていない。すごく頭がいいけど、ファンの方が愛くるしく思うような抜け感があったり、時々計算があったり(笑)。世間がハマっちゃうようなところがあるんじゃないかな。本当に唯一無二の人だと思います。
■橋本環奈
1999年2月3日生まれ、福岡県出身。2011年、『奇跡』で映画初出演。その後映画、TVドラマで活躍し、2017年には第40回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。主な出演作に『暗殺教室』(15)、『暗殺教室~卒業編~』(16)、『セーラー服と機関銃 -卒業-』(16)、『ハルチカ』(17)、『銀魂』シリーズ(17~18)、『斉木楠雄のΨ難』(17)など。公開待機作に『キングダム』(19)がある。
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