累計発行部数が800万部を突破した人気漫画『WIND BREAKER』が萩原健太郎監督で実写映画化されることが20日、明らかになった。
2021年に「マガジンポケット」で連載を開始して以来、若年層を中心に熱狂的な支持を集めてアニメ化や舞台化、ゲーム展開を経て、ついにスクリーンへとその舞台を広げる。合わせて特報映像とファーストルックも公開された。
物語の主人公は、孤独と葛藤を抱えながら喧嘩の日々を送る少年・桜遥。彼が足を踏み入れるのは、かつて"札付きの不良高校"として恐れられていた風鈴高校だった。しかしそこは街を守る"正義の不良"=防風鈴(WIND BREAKER)へと変ぼう。桜は戸惑いながらも仲間と出会い、初めての絆を築いていく。熱い友情と正義の拳を武器に、街の平和を脅かす敵と真正面から向き合う。
メガホンを取るのは『ブルーピリオド』の萩原健太郎監督、脚本は『ハケンアニメ!』で日本アカデミー賞を受賞した政池洋佑氏が担当。アクションと人間ドラマが見事に融合する。ロケ地となったのは沖縄県の実在する商店街。物語の重要な舞台<東風商店街>を徹底的に再現した大規模オープンセットが組まれた。地域の全面的な協力を得て、世界観がリアルに立ち上がる。
加茂義隆プロデューサーは、「仲間との絆が桜の孤独を乗り越えさせる原作のメッセージを映画でも伝えたかった」と語る。また、萩原監督は「これは"ヤンキー映画"というレッテルへの挑戦」とし、若い俳優陣と共にジャンルを再構築する手応えをにじませた。
ファーストルックには、東風商店街の路地に立ち向かう防風鈴の6人の背中が描かれ、吹き抜ける風と舞う木の葉が、戦いの始まりを予感させる。超特報映像には、スピーディーなアクションと決意を宿す桜の姿が映し出され、胸が高鳴る仕上がりだ。公開は12月を予定している。
■萩原健太郎監督 コメント
この映画は、"ヤンキー映画"という一見すると前時代的なジャンルへの挑戦状です。それは固定観念からの脱却とも言い換えられます。どんな理由であれ肯定できない暴力を通して、若者が前を向けるメッセージを届けられるか?若く熱量高い俳優たちと、“当たり前”に疑問を持って、壊して、再構築した先にその答えがあると信じて撮影に挑みました。ぜひ公開まで楽しみにお待ちください。
■政池洋佑(脚本) コメント
「キャラクターの魅力、ひとつ残らず詰め込む」そう心に決めて、映画『WIND BREAKER』の脚本に取り組みました。主人公の桜たちがぶつかり合い、叫び、戦い抜く姿を想像しながら、脚本打ちあわせを重ねて『全シーン見せ場』とも言える、圧倒的熱量の物語を紡げたと思います。そして、原作者のにい先生とのやり取りを経て、映画ならではのオリジナル展開も誕生しています!!! 大好きな萩原健太郎監督とのタッグで、原作が好きな人はもちろん、初めて触れる方にも刺さる、"てっぺん"を狙える全く新しい不良映画に仕上がりました! 公開までもう少々お待ちください!
■加茂義隆プロデューサー コメント
仲間たちの熱い友情が主人公・桜の抱える孤独や葛藤を打ち破ってゆく。そんな痛快な展開に心を動かされ、本作の実写映画化を企画いたしました。桜と同じように、誰もが一度は孤独を感じたことがあると思います。「一人では乗り越えられない深い闇も、仲間となら壊すことができる」そんな胸を打つ原作の力強いメッセージを映画で届けたいという思いが出発点でした。
企画当初より、原作のにいさとる先生をはじめ、萩原健太郎監督、脚本家の政池洋佑さんといった才能あふれるクリエイターの皆様とともに、映画『WIND BREAKER』を観客の皆様に楽しんでいただけるよう心をひとつに取り組んでまいりました。実写ならではの迫力あるアクションと心震わせる熱い友情ストーリーが融合した、この冬一番のエンターテイメント作品に仕上がっています。ぜひご期待ください。
【編集部MEMO】
萩原健太郎監督は、1980年12月13日生まれ。44歳。東京都出身。アメリカ・カリフォルニア州にあるアート・センター・カレッジ・オブ・デザインの映画学部を卒業後、2008年に帰国してTV-CMの演出を中心に活動。2013年にアメリカのサンダンス映画祭で長編映画脚本『Spectacled Tiger』(共同脚本:藤本匡太)がサンダンスNHK賞を受賞して話題に。代表作は『東京喰種 トーキョーグール』(2017年公開)、『サヨナラまでの30分』(2020年公開)、ドラマ『いりびと-異邦人-』(2021年WOWOW)などがある。