キズナアイ

バーチャルYouTuber・Kizuna AI(キズナアイ)の1stライブ「Kizuna AI 1st Live "hello, world"」が東京、大阪の2都市で行われた。本稿では12月29日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで実施された初日公演の模様をレポートする。

10月より9週連続で新曲を配信してきたキズナアイ。「hello, world」の東京公演にはDE DE MOUSE、☆Taku Takahashi(m-flo)、Yunomiといったキズナアイに楽曲提供をしたプロデューサーが参加し、ライブ中には彼らのDJプレイも披露された。

開演時間を迎え、ステージ中央に置かれた巨大なスクリーンにキズナアイの姿が映し出されると、会場内は怒号のような歓声に包まれる。彼女は踊りながら「Hello, Morning」を歌い始め、自身の初ライブをスタートさせた。1曲歌い終え、彼女が「はいどうもー! キズナアイです!」とおなじみのひと言でオーディエンスに挨拶すると、フロアからは「アイちゃーん!」「親分!」といった声援が飛び交う。「『Hello, Morning』盛り上がっていきましょう!」と声をかけた彼女はカバー曲「金曜日のおはよう」や、Yunomiの提供曲「new world」などを歌唱。「new world」の曲中でキズナアイがホイッスルを吹き始めると、物販のホイッスルを購入したファンも一緒に吹き、会場内は大盛り上がりとなった。

MCに入るとキズナアイが「2階席!」「1階席!」「 女子!」「 男子!」と呼びかけ、コール&レスポンスが繰り広げられていく。会場内に大歓声を響かせた彼女は「覚悟できてるかー! ついて来れるかー! アゲていくぞー!」とオーディエンスを煽ると、sasakure.UKのDJタイムへ。sasakure.UKがキズナアイの声をサンプリングさせて作り上げた「Kizuna AI to AI」がかかると、キズナアイが再びスクリーンに登場し、本人がこの曲を歌唱。ワンマンライブならではの豪華な共演でファンを喜ばせた。ライブ中盤にはNor、MATZといったDJたちが曲間でアニソンやダンスナンバーをかけ、フロアの熱気を高めていく。「hello, world」の告知ビジュアルで描かれていた装いに衣装チェンジしたキズナアイは「hello, alone」で激しいダンスを披露。また「meet you」ではプロデュースを手がけたDE DE MOUSEもステージに現れ、キズナアイは時折DE DE MOUSEに視線を飛ばしながら同曲を歌い上げ、“リアル”と“バーチャル”の共演を楽しんでいた。また☆Taku TakahashiはDJプレイからキズナアイへの提供曲「mirai」へとつなぎ、自身もジャンプを繰り返してオーディエンスを盛り上げた。

W&Wとのコラボ曲(タイトル未定)の歌唱時には、キズナアイの髪が金髪に変わり、バーチャルYouTuberならではのスピード感のあるビジュアルチェンジで会場を沸かす。ライブ終盤のMCでは、キズナアイがワンマンライブ開催に向けて不安な気持ちがあったことを打ち明けたものの「みんなの声を聴いたら不安になることなんて全然なかった。最高のスタートが切れました!」とファンに感謝の気持ちを伝えた。ラストナンバー「future base」では作曲者のYunomiもステージに登場。Yunomiは手を振ってオーディエンスの動きを先導し、会場内の一体感を演出した。彼女は最後に「ありがとうございました。キズナアイでした!」と声をかけ、スクリーンから姿を消した。

本編が終わっても会場内の興奮は冷めやらず、ライブはアンコールに突入。再びスクリーンに姿を現したキズナアイはこの日の出演者全員をステージに呼び込み、記念撮影を提案。撮影を終え、プロデューサー同士がハイタッチをすると彼女は「私もハイタッチがしたい!」とせがみ、スクリーン越しに各出演者とハイタッチをして弾けるような笑顔を見せた。アンコールでは中田ヤスタカ(CAPSULE)が手がけた新曲「AIAIAI」のフルバージョンが初披露され、会場内の熱気は最高潮に。ラストナンバー「Hello, Morning(Pa's Lam System Remix)」では、「声を聞かせて 声響かせて」という歌詞に応えるように盛大なシンガロングが会場に響きわたった。すべての曲を披露し終えたキズナアイが姿を消すと、スクリーンに「THANK YOU TOKYO」の文字が映し出され、彼女の初ワンマンライブは大団円を迎えた。

※DE DE MOUSEは頭2つのEにアキュートアクセント付きが正式表記。