お正月といえば、おせち料理。伝統的な日本のお正月を迎えるには、必要不可欠だ。ただ、正直言うと、おせちってすぐ飽きる。だって、毎年かわり映えしないし。どうせなら画期的で、お酒のおつまみにも最適なおせちが食べたい! そんなことを思っている人たちのために、「フランスチーズで楽しむお正月」のワークショップに参加してきた。

  • フランスチーズを使った「オシャレおせち」の作り方を教えてもらった

    日本酒も含めてチーズと和の食材との相性は抜群

フランスチーズ×お正月のワークショップ

このワークショップは、フランス国内の約9万人の酪農家および3,000社の乳業メーカーが加盟する非営利団体で、主に国内外の酪農業界の経済動向、健康に与える影響などの科学的な研究、チーズを中心とした乳製品の広報活動を行っている「CNIEL(フランス全国酪農経済センター)」の主催。今回はお正月をテーマに、フランスチーズでお正月らしい盛り付け、美味しくて新しい食べ方を教えてくれるという。

  • 見た目にも楽しい「チーズおせち」

オシャレで美味しい「チーズおせち」の作り方

まずは、「CPAチーズプロフェッショナル」であるパンと料理の教室「la nature(ラ・ナチュール)」主宰・小笠原由貴さんが、参加者のテーブルに並んだ試食用のチーズを説明しつつ、それぞれに適したおせちアレンジをレクチャーしてくれた。

「チーズと和の食材との相性」を表現するということで、着席すると、抹茶と共にウォッシュタイプのチーズ「マンステール」が運ばれてきた。チーズは納豆的な匂いだが、納豆が苦手な筆者も大丈夫なミルキーさ。黒蜜をかけて、信玄餅みたいなテイストで食べることができるところが面白い。

  • 抹茶とマンステールチーズの組み合わせはユニークで新鮮な味わいだった

最初に登場したのは、「カマンベール」。その上にセミハードタイプのチーズ「ミモレット」をおろし金で細長くおろしたものを乗せておせちの定番「紅白なます」風に。なますって、はっきり言っておせちに入っていてもノーマーク。でもこれならお酒にも合うし、食べたくなるかも。

  • カマンベールとミモレットで「なます」を表現

ミモレットはからすみに似ていると言われており、日本酒にも合う。ワインではなく、日本酒。実際、すごくマッチしていて美味しかった。また、ミモレットを細かくして、温かいごはんに乗せて醤油をかけて食べるのもよいとのこと。それ、美味そう! 絶対やろう。

続いて、フランスで生産量一位のポピュラーなチーズ「コンテ」。小笠原さんも、一番好きなチーズを聞かれたら迷わず「コンテ」と答えるお気に入り。

  • ジャリっとしたコンテの食感が黒豆のやわらかさとマッチ

皮は硬くあまりおいしくないので取りのぞくこと。スライスしてサラダに乗せてもよいそうだ。四角くサイコロ状にカットして、黒豆を乗せてピンでとめておつまみに。この日使われたのは18カ月熟成したものだが、黒豆と合わせるのはもう少し若めの8カ月くらいのものがよいそうだ。

お次は牛のミルクで作ったチーズ「ブルー・ドーヴェルニュ」を使い、伊達巻と合わせる。塩味の強さを活かして、甘みのある伊達巻と合わせると、甘じょっぱい感じでこれまた日本酒にも合う。

  • ブルー・ドーヴェルニュと合わせることで伊達巻の可能性が広がった

サンドにしてみると、伊達巻の概念を変えるオシャレさ。いや、伊達巻がダサいとかそういうことじゃないけど。これならいつものお正月が新鮮に感じられそうだ。ちなみに、ブルーチーズの匂いが苦手な人もいると思うが、それはブルーチーズの水分を放置してしまい蒸れて嫌な匂いになってしまうことが原因とのこと。紙で水分を抑えるとよいそうだ。また、ブルーチーズはカットするときに崩れやすいので、専用のワイヤーまたは糸を使ってカットするのがよいそうだ。

「フレッシュチーズ」を使ったレシピでは、おせちの主役的存在・栗きんとんとそのまま合わせたものが紹介されたのだが、これ、美味い! 新しいデザートの誕生っていう感じだ。フレッシュチーズに栗きんとんを乗せるだけでこの美味さ。食材の組み合わせって面白いなあ。

  • 参加者はテーブルに並んだチーズおせちをつまみながらレシピをレクチャーしてもらった

レシピの紹介の後は、盛り付けデザイナーの飯野登紀子さんにより、わっぱのお弁当箱を使用した盛り付けを紹介。最初にわっぱの底にカンパーニュパンを敷き、先ほど作ったおせち風チーズの数々を入れていくと、なんとも可愛くて華やかに。こんなおせちなら、家でゴロゴロ寝正月しているばかりじゃなくて、ピクニックに出かけたくなっちゃうかも。

  • お弁当箱に入れたら思わず外にでかけたくなりそう

  • なんだかこの機会にチーズを勉強したくなったぞ

お正月ならではのチーズの新しい食べ方、ぜひお試しあれ。