筆者は、雑誌やWebでさまざまな飲食店を取材する飲食店ライターでもあります。最近はお酒を飲まない人が増えたこと、食の好みが多様化したことなどから、忘年会幹事に指名された人はひと苦労ですね。そんな流れを受け、お店もさまざまな工夫を凝らしています。

お店取材の合間に聞いたお役立ち情報をここでまとめ、ワザ化してお伝えします。ぐるなびや食べログなどのグルメサイトでお店を探すときのおすすめ「検索ワード」つきなので、初心者でも失敗なし!

(1)取り分け不要の店を選ぶ

宴会料理といえば大皿料理が定番ですが、「このサラダ、誰が取り分けるの……?」などという気まずい空気は回避したいですね。慣習に沿って女性が気を利かせて取り分けることなどはもうしなくてよいですが、女性だけサラダ取り分け禁止にしたり、逆に男性に取り分けを命じたりすることも不適切です。

対策としては、大皿料理でなく、1人分ずつ盛られて提供してくれるお店を選べばよいでしょう。お店の選択肢がない場合は、大皿料理でも「セルフ方式で食べたい分だけどうぞ」などと伝えればよいでしょう。あらかじめ1人分に盛り付けて提供してくれる会席料理や会席スタイルも使いやすいです。

検索ワード⇒[取り分け不要][会席料理] [個別盛り]

(2)鍋料理は賛否両論と知る

忘新年会シーズンは魚介がおいしくなり鍋も美味。でも、一つの料理を他人とシェアして食べるのが生理的に苦手な人は少なくありません。友達なら許容できても「職場の人とは……」と考える人もいるかもしれません。

それから、鍋の定番具材であるカニや魚介類だと、アレルギーの問題も心配です。鍋料理だとアレルギー原因食材だけを取り除いてもスープにエキス分が溶け出してしまいます。こうした事情からコース料理のメインを「鍋」か「その他の料理」かを選べるようにしているお店もあります。

検索ワード⇒[コース 選べるメイン]

(3)ソフトドリンクのバラエティーは重要

最近はお酒を飲まない人が増えましたね。「飲めない」と言いやすい世の中になったということかもしれません。宴会といえは割り勘(上司などが多く支払うこともある)が定番ですが、飲めない人はコスパが悪くなってしまいます。

そのため、ドリンクの飲み放題メニューにソフトドリンクのバリエーションがあるのが理想的。お茶類・炭酸類・ジュース類などさまざまな選択肢があるとよいですね。ノンアルコールカクテルも喜ばれます。

検索ワード⇒[ノンアルコール飲み放題]

(4)価格は2,900円より3,000円のほうが気持ちいい

お店は少しでも安く感じてもらえるように2,900円、2,980円などという価格設定をしがちですが、宴会参加者は意外ときっかり価格を好みがち。「半端に100円返されても……」というのが本音かもしれませんが、「いらない」と断り幹事がもらうのもなんだかヘン。もし選べるなら3,000円、4,000円、5,000円などの価格設定がいいかも。便利な割り勘アプリも人気ですが、やっぱりまだ現金が主流の昨今。幹事さんは集金が大変ですし!

(5)座敷席より椅子&テーブル席

忘新年会のシーズンは女性はブーツなどの脱ぎにくい靴を履いていることが多いですね。また、男女問わず、足が蒸れて臭い、靴下やタイツに穴が……といったアクシデントも。こうした事態を避けるため、最近は靴を脱がずに着席できる椅子&テーブル席が人気と聞きます。ゲストに年配者や足の悪い人がいる場合も同様(ご本人に意見を聞きましょう)。

椅子&テーブル席でも、意外と純和風のシックな空間、仕切りでプライバシーがしっかり守られる完全個室ありのお店などもありますよ。

検索ワード⇒[テーブル席] [テーブル個室]

(6)手が汚れる料理、マナーが問われる料理は慎重に

手づかみでバリバリ食べる料理を嫌がる人もいます。手羽先やカニが代表格ですが、ワイルドに食べるだけにおいしさも格別。フォーマルな席では避けた方が無難ですが、プライベートな集まりではぜひどうぞ。

また、イタリア料理やフランス料理はテーブルマナーを意識して緊張してしまうもの。ちなみに、本来はピザもフォークとナイフで食べるべきものです。さらに、本来イタリア料理では、リストランテ、トラットリア、バールなど、フランス料理では、グランメゾン、ブラッスリー、ビストロなどの格付けがあるのです(日本の飲食店の名前はそこまで意識していないかも)。

ではどうすれば? イタリア料理はバルやバール、フランス料理はビストロなど、カジュアルスタイルを売りにしたお店をセレクトするとよさそうです。お箸を推奨するお店もありますよ。下見ができれば安心ですね。

検索ワード⇒[お箸 イタリアン] [お箸 フレンチ]