鉄道博物館(さいたま市)はこのほど、同館が所蔵・展示するED40形式10号電気機関車が、10月31日付で国の重要文化財に指定されたと発表した。

  • 鉄道博物館が所蔵・展示するED40形式10号電気機関車

ED40形式10号電気機関車は1921(大正10)年、当時の信越本線横川~軽井沢間の急勾配区間用として製造された、国鉄最初の本線用国産電気機関車。主電動機を2基搭載し、1基を動輪用、もう1基をラック台車駆動用とする構造。蒸気機関車で培った技術を活用し、ジャック軸・主連棒・連結棒を通じて動輪に動力を伝える方式を採用した。廃車となったのは1968(昭和43)年。鉄道博物館では2007年の開館当初から展示されている。

同館は今回の重要文化財指定を受け、「幹線鉄道電化の黎明期において輸送実績をあげ、日本の電気機関車の技術の発展を後世に伝える貴重な車両として、今後とも保存・展示してまいりますので、みなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます」と発表した。

なお、鉄道博物館所蔵の車両の重要文化財指定は、1号機関車(150形式)、1号御料車(初代)、ナデ6110形式電車に続き、これで4件目。車両以外では、展示していない鉄道古文書も重文指定を受けている。