HAPはこのほど、「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査」の結果を明らかにした。同調査は9月19日~25日、全国の薬剤師398名を対象にインターネットで実施したもの。

  • 生活者に「かかりつけ薬剤師・薬局」という仕組みがどれぐらい浸透していると感じますか

    生活者に「かかりつけ薬剤師・薬局」という仕組みがどれぐらい浸透していると感じますか

「かかりつけ薬剤師・薬局」は、平成28年4月よりスタートした制度で、一人ひとりのすべての医療機関や服用薬を一元的・継続的に把握する薬剤師や薬局を指す。開局時間外でも、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミングなどに関し随時電話相談を受けつける。

また、医療機関とも連携し、夜間・休日でも、在宅患者の症状悪化時などの場合には調剤を実施し、残薬管理などのために、在宅対応にも積極的に関与するとのこと。

生活者に「かかりつけ薬剤師・薬局」という仕組みがどれぐらい浸透していると感じるか尋ねたところ、「浸透していると感じる」「やや浸透していると感じる」はわずか8.8%となった。かかりつけ薬剤師経験者限定の回答をみても、17.1%にとどまっている。

「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによって、どのようなメリットがあると感じるか聞くと、最も多い回答は「多剤・重複投薬の防止につながる」(49.5%)だった。次いで「服薬情報の継続的な把握ができる」(35.2%)、「残薬の解消につながる」(33.7%)と続いた。

  • 「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによるメリットは?

    「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによるメリットは?

「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによって、薬剤師としてどのようなことがメリットに感じられるか尋ねると、「患者に接する意識」(34.9%)、「コミュニケーション能力の向上」(20.4%)という回答が多かった。かかりつけ薬剤師経験者は、「患者に接する意識が変わる」という項目が未経験者より14ポイント高い。

  • 「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによる薬剤師としてのメリットは?

    「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによる薬剤師としてのメリットは?

逆に、薬剤師として感じる「かかりつけ薬剤師」導入に関するデメリットは、「接客に時間が掛かり過ぎる」(43.5%)、「責任が大きくなる」(26.6%)、「生活バランスに支障をきたす」(25.9%)が多い。かかりつけ薬剤師経験者は「患者と密にコミュニケーションを取らなければならない」という回答が未経験者より約10ポイント多かった。

  • 「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによる薬剤師としてのデメリットは?

    「かかりつけ薬剤師 制度」が導入されたことによる薬剤師としてのデメリットは?

「薬剤師」としての基本的なスキルや知識のほかに、今後必要な(求められる)スキルや知識はどのようなことだと思うか聞くと、「疾病情報の知識」(59.3%)が最も多く、「コミュニケーションスキル」(43.2%)、「食事や栄養に関する指導」(40.5%)が続いた。

  • 「薬剤師」として今後必要な(求められる)スキルや知識は?

    「薬剤師」として今後必要な(求められる)スキルや知識は?