「結果にコミットする」というCMのフレーズをきっかけに、「コミットメント」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。日本のビジネスシーンにも、すっかり定着した言葉と言えるでしょう。そこで本稿では、今さら聞けないビジネス用語「コミットメント」について解説します。

  • 「コミットメント」の意味と例文を紹介

    「コミットメント」の意味と例文を紹介

■「コミットメント」の意味

「コミットメント」の意味を調べてみたところ、「約束」「誓約」「公約」「確約」「かかわりあい」「関与」「介入」「責任」「声明」「義務」など、多数記載されていました。どの日本語が相応しいかは状況や文脈によって違ってきますが、いずれも「責任を伴う」というニュアンスを強く含んでおり、ビジネスシーンのみならず、政治や経済に関わる場面でもよく用いられる言葉です。

以前、「結果にコミットする」というフレーズで話題となったCMがありましたが、「コミット」は「コミットメント」の動詞形です。あの言葉には、「(理想とする)結果を、責任をもって約束します」「結果(目標達成)が出るよう、しっかりと関与(サポート)します」といった意味があります。

■「コミットメント」の使い方と例文

  • 「我が社のコミットメントはCO2排出量20%削減だ」(公約)
  • 「売り上げ30%UPをコミットします」(約束)
  • 「予算について社長のコミットメントが得られた」(確約)
  • 「そのプロジェクトに是非コミットしたい」(関わり)
  • 「部長は今回の人事異動にコミットしない」(介入)
  • 「先進国の積極的なコミットメントが必要だ」(関与)
  • 「結果にコミットできないようでは困る」(責任を持つ)

■コミットメント・コミットの付く用語

フルコミット

特に重要なプロジェクトや契約などに全力で関与する・約束する場合には、「フルコミット」という表現を用います。100%(最大限)の責任を負うという意志を強調したい時に使うもので、コミットの最上級の表現であると覚えておくと良いでしょう。

  • 「いつでもフルコミット可能です」
  • 「この案件はフルコミットで頼むよ」

トップコミットメント

企業のトップが、経営理念やビジョン、環境や社会貢献活動への取り組みなどを表明することを、「トップコミットメント」と言います。多くの企業が、公式ウェブサイトに掲載しています。

コミットメントライン

銀行と企業等(顧客)が予め設定した期間・融資枠の範囲内で、顧客の請求に基づき、銀行が融資を実行することを約束(コミット)する契約、また、その融資枠のことを「コミットメントライン」と言います。「銀行融資枠」などとも呼ばれます。


「コミットメント」は、実に多くの意味を表現することのできる便利な言葉ですが、どんなシチュエーションで使うにしても、その発言には必ず「責任」が伴います。コミットするだけの強い意志や、結果に責任を負うだけの覚悟が必要です。中途半端な気持ちで使うことのないよう、気を付けましょう。