民放キー5局の10月改編情報が11日、出そろった。帯番組のMCに加えプライム帯にも多数レギュラーを持つ坂上忍がさらに番組を増やし、所ジョージもレギュラー2本増で全局レギュラーを果たすなどベテラン勢の活躍が目立つほか、日テレが独走する日曜ゴールデン打倒への動きも再び活発化している。
サンドウィッチマンもG帯レギュラー増
坂上は、平日2時間の生放送『バイキング』に加え、『ダウンタウンなう』『直撃!シンソウ坂上』というレギュラー番組を抱えるフジテレビで、10月から『坂上どうぶつ王国』(毎週金曜19:00~)も開始。これに伴い、同じ動物バラエティの日本テレビ系『天才!志村どうぶつ園』のコーナーレギュラーは降板する見込みだ。坂上の日テレのレギュラーは、今年3月まで『得する人損する人』『坂上忍と○○の彼女』もあったが、10月以降は『有吉ゼミ』のみとなる。
さらにTBSでは、4月にスタートした『坂上&指原のつぶれない店』を日曜20時台から19時台に移動し、新たに『1番だけが知っている』(毎週月曜22:00~)を開始。テレビ東京の『おしゃべりオジサンとヤバい女』は終了するが、『―どうぶつ王国』ではスタジオMCに加えロケも想定されており、10月以降はますます忙しくなりそうだ。
一方の所は、テレビ朝日で『所&林修のポツンと一軒家』(毎週日曜19:58~、ABCテレビ制作)と、フジで『新説!所JAPAN』(毎週月曜22:00~、カンテレ制作)という2本の新番組がスタート。
これにより、NHK『所さん!大変ですよ』、日テレ『所さんの目がテン!』『世界まる見え!テレビ特捜部』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』、TBS『所さんお届けモノです!』(MBS制作)、テレ東『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』と合わせて、地上波キー局全局レギュラーを達成することになる。
なお、各種の好きな芸人ランキングで急上昇のサンドウィッチマンも、レギュラーが増加。今年4月に『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレ朝)で地上波ゴールデン初レギュラーをつかんだばかりだが、10月から日テレで『THE突破ファイル』(毎週木曜19:00~)、フジで『坂上どうぶつ王国』と、一気に2本のゴールデンレギュラーが増える。
テレ朝&TBSが日曜ゴールデン大幅改編
『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』と盤石の編成で日テレが独走する日曜日のゴールデンタイム。16年秋改編で、テレ朝が『日曜もアメトーーク!』、TBSが『クイズ☆スター名鑑』、フジが『フルタチさん』を投入して話題となったが、いずれも日テレの牙城を崩すことはできず、最後まで残った『日曜もアメトーーク!』も、この改編で撤退する。
代わってテレ朝でスタートするのは、2年半ぶりにレギュラー復活するネプチューンMCの『ナニコレ珍百景』(毎週日曜18:30~)。裏のテレ東『モヤモヤさまぁ~ず2』と同じく18時半スタートの90分枠でゴールデンの立ち上がり改善を狙い、日曜ゴールデンの単発で何度も12~15%台の視聴率実績を持つ20時台の『所&林修のポツンと一軒家』につなげる。
そして、TBSも日曜ゴールデンの改編を実施。前述のとおり『坂上&指原のつぶれない店』を19時台に繰り上げ、20時台にバナナマンMCの『消えた天才』を投入する。編成部企画総括の石丸彰彦氏は「厳しい環境だと思っています」としながら、「なんとか一矢報いたい」と意気込みを見せている。
こうした日曜ゴールデン戦争の再燃とも言える各局の攻勢に対し、日テレの岡部智洋編成局担当局次長兼編成部長は「(『DASH』『イッテQ』『行列』)それぞれの番組は、タイトルは変わらないですけど、非常に内容は変わってきています。『イッテQ』は10年目の昨年が、年間平均視聴率トップでずっと右肩上がりで頑張っている。日々生活者のニーズを見極めて、新しいものを提供していってるので、今後も日曜に限らず全ての番組で新しいものをどう提供していくのかでしかないと思っています」との考えを示した。
編成幹部異動、局の雰囲気を変えるか
今回の改編説明会から、TBSの編成局長は、新たに合田隆信氏が出席。『ガチンコ!』『学校へ行こう!』などのヒットバラエティ番組を立ち上げたことで知られるが、「苦しい時代に現場にいたものですから、最近は本当に良くなってきた」と、最近の同局の雰囲気を明かした。
その上で、「日本テレビさんの背中が近づいていると感じるときも“時々”あります。ずっとではないです(笑)。遠いなと感じたり、近いなと感じたりが交互に波のように来ます。近いなと思う時は、自分の視力が良すぎるのかな(笑)」と、バラエティ仕込みのスピーチで報道陣を和ませる場面もあり、かつて“民放のNHK”と言われ、お堅いイメージのある同局の雰囲気をさらに変えていく予感を見せた。
一方フジテレビは、営業畑が長かった齋藤翼編成部長が出席。営業出身を思わせる堅実な応答ぶりで、報道出身の塚越裕爾編成局長とともに、こちらもかつて“軽チャー路線”と言われた同局の空気にどう影響していくのか、注目だ。