TVアニメ『おそ松さん』第2期スペシャルイベント「フェス松さん'18」が8月19日、神奈川・パシフィコ横浜にて開催された。2016年5月開催の「フェス松さん'16」から約2年ぶりとなる本イベントは、言いたい放題のトークコーナーあり、朗読劇あり、ゲームあり、歌ありとキービジュアルどおりのお祭り騒ぎのイベントになった。

  • 「フェス松さん'18」

出演はおそ松役の櫻井孝宏、カラ松役の中村悠一、チョロ松役の神谷浩史、一松役の福山潤、十四松役の小野大輔、トド松役の入野自由、トト子役の遠藤綾、イヤミ役の鈴村健一、チビ太役の國立幸、デカパン役の上田燿司、ダヨーン役の飛田展男、ハタ坊役の斎藤桃子、司会は鷲崎健。今回は、全国の映画館でライブビューイングでも中継された夜の部をレポートする。

TVアニメ『おそ松さん』の第2期は、期待どおり六つ子たちが大暴れしていたし、かなり印象的なキャラクターもたくさん登場していた。その中でもかなり強烈なインパクトを残したものと言えば、カラ松によるサマー仮面だろう(第5話『夏のおそ松さん』)。

いや、その他にもいろいろあった気もするけど、「カラ松にそういう面があったんだ!」という衝撃が強かったという点でもインパクト大だった。「○○サマー」と、いちいち点数をつけていくところも最高にうざかった……。

それはさておき、まず着ぐるみの六つ子たちが登場して、それにアフレコをしていく朗読劇からスタートした「フェス松さん'18」。クーラーのリモコンが見つからず、部屋で暑い暑いと騒ぐ松たち。「こう暑いと、僕たちみたいな真面目な人間もさすがに働く気しないよね~」(十四松)など、つっこむ気も起きない会話を繰り広げている。

そんな中、舞台にさりげなく登場したサマー仮面に会場が沸く。だがサマー仮面をスルーして、暑いからどこかに出かけようと相談する5人。なかなか「海」という単語が出てこずにヤキモキするサマー仮面。そうこうしている間に、やっとみんなで海へ行くことになって、ここぞ! とばかりに登場するのだが、サマー仮面が楽しみにしていた決め台詞「ナイスサマー!!!」を十四松が先に言ってしまうという、ドリフのコントのような展開に。最終的にサマー仮面が音頭を取ってタイトルコールをして『フェス松さん'18』が幕を開けた。

そんな大掛かりなコントオープニングのあとにキャストが全員登場。あらためて大きな歓声が会場に響く。ステージセットとしてちゃぶ台や座布団が準備されていく。和なセットというのも実に『おそ松さん』らしい。そして、家にい るようなリラックスした感じでトークコーナーがスタートする。1期と比べて2期はキャラクターがより掘り下げていたと遠藤が語り、トークコーナー最初ではそんな2期を振り返っていく

  • 「フェス松さん'18」キービジュアル

まず「最高にアフレコが楽しかった」と口火を切るのは入野自由。「好きなセリフがあって"童貞なんかソッコー卒業して、アイツらを殺しますよ"って爽やかに言うんですけど、今期で一番好き(なセリフ)かもしれない」と生き生きと語っていた。なかでもフェンスによじ登る場面では、福山が声優生命を絶つほどの命がけの芝居をしていたとのこと(ちなみに本編ではあまり聞こえない)。

そのほか、「十四松とイルカで、桑島(法子)さんが良い芝居をしてるのに、十四松が素っ裸だったのが面白い」と福山が言うと、「桑島さんは本当にこの話が好きらしくて、『ヤマト』(『宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち』)の現場でもこの話をしてました」と明かす小野。さらに「桑島さんは楽しみにしていたのに、その前の話が『合成だよん』で気分が悪くなっちゃったらしい」など、ひとつの話からどんどん話が広がっていく。

続いて、某『美○しんぼ』パロディ話(『グルメ回』)や「チョロ松事変」の話でも盛り上がる。『チョロ松事変』はチョロ松が茶髪に染めるストーリー。その茶髪がダサいと言われた神谷がマイク前で不服そうにしていたとの福山が暴露すると、「みんな茶髪を通ってきた道なのに、なんで俺をバカにするのかわからない! お前らも似たようなものだろうと!」と神谷。

次のコーナーは、いろいろなキャラクターの組み合わせが楽しめる朗読劇『なんでもないこぼれ話集』。

オープニングは、チョロ松とトト子がお互い「彼氏と彼女が欲しい! でもシコ松は無理ー!」といった話を繰り広げたり、6本のアイスをふたりでわけるおそ松と一松だが、おそ松だけ自分のぶんを多めに取っていったりと、兄弟の序列を感じるストーリーとなっていた。また、イヤミと十四松、トド松のお互いのギャグを取り引きする話では、お客さんと「御意! 御意!」でコール&レスポンスを楽しむシーンも。

最後は『サマー仮面 in フェス松』でサマー仮面がオープニングぶりに登場。あまりのテンションの高さにお客さんたちがついていけず呆然としていたが、そんな状況にもまったく動じないのがサマー仮面。お客さんたちに強引に「ナイスサマー」とコール&レスポンスをさせていく。

続くコーナーはチーム対決の『ファン感謝デーinフェス松さん』。お兄ちゃんチーム(櫻井、中村、神谷)対弟チーム(福山、小野、入野)に分かれ、キャストと着ぐるみの六つ子たちが協力しつつ、輪投げや麻雀など対決していく。

中村悠一&カラ松と福山潤&一松による「ぐるぐるバッドハグ」は、バッドを使ってぐるぐる回り、三半規管の限界に挑戦する「アレ」だ。こちらは福山が勝利したが、今度は鈴村と着ぐるみのイヤミが対決する流れに。だが、鈴村がまったく歩くことができず、尻もちをつく展開に。なかなかこんな姿の鈴村を見ることはできないのだろう。キャスト陣が大爆笑していたのが印象的だった。

チーム対決のラストはキャスト全員での綱引き対決。最初は弟チームが優勢だったが、お兄ちゃんチームがかなりの粘りを見せ、少しずつ自陣に引き込んでいく。最終的にお兄ちゃんチームが勝利を収めることになった。

最後に2019年初公開の映画「えいがのおそ松さん」が発表され、全員で喜びを噛みしめる。櫻井が「こうやって次の約束ができたことが嬉しいです。これも今日来てくれたみなさん。ライブビューイング会場に足を運んでくださったみなさんのおかげです。ぜひ公開日を楽しみに待っていただければと思います」と感謝の気持ちを表す。そして、全員で「イヤミ音頭」を歌い、イベントは終了した。 何事にも全力でやることが大切で、それが人を笑わせたり楽しませたりすることにつながっていく。きっと『おそ松さん』のアフレコ現場もこんな風景なのだろう、そう実感することができるイベントだった。

(C)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会