――映画の製作発表会見の舞台上でも、挨拶の直前にいきなり華麗なバク宙を決められたのには、驚かされました。

あれはやるつもりじゃなかったんですよ。舞台のソデで工藤遥ちゃんと濱正悟くんが「バク宙しちゃえば?」「しちゃいなよ」って急に言ってきたんで、「うーん、じゃあやるか!」って(笑)。急いでアキレス腱を伸ばして、やらせてもらいました。

――快盗の衣装でバク宙されると、上着がヒラリと舞ってとてもカッコよかったですね。

ありがとうございます。後でマネージャーさんから「アベンジャーズみたいで良かったよね」なんて言われました(笑)。この快盗衣装も候補が2種類あって、どちらにするか検討されていたんですが、ルパンの3人が着ていないようなデザインのほうがいいってことで、これに決まったんです。素直にカッコいいとは思うんですけれど、とにかく今の季節は暑いんですよね(笑)。

――ノエルがユニークなのは、快盗側、警察側を行き来する人物でありながら、どちらにもそのことを秘密にせず、オープンな態度を取っているところです。元木さんとしては、快盗と警察、それぞれと接するときに演じ方を分けていたりするのでしょうか?

ノエルのキャラクターは、基本一緒ですね。潜入捜査官と言いつつ、どちらにも正体がバレているというところから始まっていますし。ルパンレンジャーの3人が着けているマスクもノエルには必要がないという(笑)。でも、ノエルも自身の目的があってフランスからやって来ていますし、ルパンレンジャーにはこういうことをやってほしい、パトレンジャーにもこんなことをしてほしいと、2つの戦隊との関わり方がちょっと違っているかもしれません。パトレンジャーに自分のことを信用してもらうため、ルパンレンジャーに協力を願い出たとき(第21話「敵か味方か、乗るか乗らないか」)なんて、双方の戦隊に見せる態度がまったく違っていたりします。

――両戦隊を目的のために利用する「策略家」の面を持ちつつも、ヒーローとしてどちらの戦隊にも通じるところを持つ熱い面もあわせ持つノエルという人物は、なかなか演じる上でも難しそうですね。

台本を読んで、これをどう表現しようとか考えることは多いです。これから先、明かされていく謎のような部分もいまの台本に含まれていますしね。