無礼講の本来の意味を実現

「無礼講」とは、「身分・地位の上下を抜きにして楽しむ酒宴」という意味の言葉である(出典:岩波国語辞典 第七版)。決して、「無礼なことをしてもOK」という意味ではない。そんな「無礼講」状態を実現するために開発されたのが、2つめのプロダクト・「無礼講ースター(ぶれいこーすたー)」だ。

  • 飲み会の場に自然と溶け込むグッドデザインな「無礼講ースター」

無礼講ースターは、飲み会の場で仕事とは無関係な話題を提供し、お互いの「自己開示」を促すコミュニケーションツールになってくれる、一種のカードゲームのようなもの。“話す”ではなく、“質問に答える”形で会話をつくる設計となっており、気を遣わない雑談が自然と生まれてくるという。ルールは至ってシンプル。

  • まず初めに、親はテーマが書かれたコースターの山札から1枚を表にして場に置き、みんなに聞こえるように読み上げる。テーマは、「鼻毛が出ている人に指摘できてしまう」というようなノリで計50種をラインナップ

  • 親は、テーマコースターの質問に対する回答を自分の中で考える。そして、みんなに見えないようにYES/NOコースターを表向きに置き、ビアグラスで隠す。親以外のプレイヤーは、親の回答を予想。同じくみんなに見えないようにYES/NOコースターを表向きに置き、ビアグラスで隠す。このとき、回答を予想するために親へ質問をできる時間が設けられる

  • その後、親以外のプレイヤーが一斉にビアグラスを持ち上げ、YES/NOコースターの回答をオープン。親の左隣の人から時計回りに、自分の回答(YES/NO)の理由を話す

  • みんなが話し終わったら、今度は親がビアグラスを持ち上げて自分の回答をオープンし、その理由を話す。親は正解者の中からもっともその理由が近いと思う人を選び、テーマコースターをプレゼント。受け取ったプレイヤーは、そのコースターを手元に得点として置いておく。ここまでで1テーマ終了。親役が左隣に移り、新たなテーマコースターを引いて…の繰り返しとなる

上記の流れでゲームを続け、親役が1周した時点で手元に集めたコースターがもっとも多かった人が勝利。“みんなのことを1番わかっていた人”の称号をゲットするというわけだ。

みんなが平等に話し手になれる、上手く話そうとするプレッシャーから解放してくれるYES/NO回答方式、親の回答を予想することで聞き手の興味が喚起される仕組みなど、鼻毛がうんぬんなどと言っている割りに、実は非常によく作り込まれているこのプロダクト。それもそのはず、開発には2人の“遊びのプロ”が協力しているのである。

  • 世界中のゲームを紹介する「ゲームマスター」として活動中のあだちちひろ氏(左)は、オリジナルゲーム制作のプロデュースやアナログゲームを使った社内研修など、さまざまな側面から日夜ゲームの可能性を探求・発信している。もう1人のアドバイザーは、おもちゃクリエイターの高橋晋平氏(右)。第1回日本おもちゃ大賞を受賞した、あの「∞プチプチ」の企画開発にも携わっていたという

こちらも事前に導入実験を実施。上司・部下ともに「普段は聞けない質問ができて、距離が近くなった」「お互いの特性や意外な一面を知ることができて、仕事の進め方もスムーズになると思う」といったポジティブな感想が。

  • スマートフォンのアプリではなくコースターをセレクトすることで、「お前らはケータイがないと何もできんのか!」と風属性の先輩の逆鱗に触れてしまう可能性をなくせるというのも嬉しいポイント

「無礼講ースター」は、「先輩風壱号」と同じ8月3~17日の期間、「YONA YONA BEER WORKS」都内全7店舗で体験可能。さらに、30セットの数量限定で販売も行うとのこと。「世界ビールデー」の8月3日、20時15分(2015=ぶれいこう)から、よなよなエール公式通販サイト「よなよなの里」にて販売スタート。キャンペーン特別価格、税込2,015円(2015=ぶれいこう)で購入できる。

  • 同プロジェクトの全体監修を務めたのは、チームビルディングのスペシャリスト、ピョートル・フェリークス・グジバチ氏。人材育成や組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍し、『0秒リーダーシップ』『日本人の知らない会議の鉄則』などの著者としても知られている

世の中の大多数の人にとって、属するコミュニティごとに自分の立ち位置や居心地の良し悪しはまったく異なるものだろう。飲み会においては、特にそれが顕著に現れがちだ。しかし、どうせならどのコミュニティでもなるべく居心地よく過ごしたい。そして、居心地のいい飲み会ができるメンバーなら、いいチームになれるはず。今一度、先輩・後輩の関係性や自分のふるまいを見直し、チームにとって悪影響が出るような飲み会はなくしていこう。飲み会の現場から、世界平和を。