俳優の高橋一生が、10月にスタートするカンテレ・フジテレビ系ドラマ『僕らは奇跡でできている』(毎週火曜21:00~)で、民放ゴールデン帯連ドラ初出演を果たすことが2日、分かった。
このドラマは、『僕の生きる道』シリーズ、『フリーター、家を買う。』『フラジャイル』などを手がけた橋部敦子氏によるオリジナル脚本。高橋が演じるのは、生き物のフシギに目がない変わり者の大学講師・相河一輝で、興味のあることや好きなことには集中力が高く、気になることは徹底的に調べたり研究したりするという役柄だ。
そんな一輝の授業は、学生に課題を出してそれぞれの意見を発表させるものの、結局は「正解はわからない」と言い、学生たちを困らせてしまう。一輝の言動に、周囲は戸惑い、時にはいらだつこともあるが、その一方で“常識や固定観念にとらわれず、ユニークなものの見方をする”一輝を見て、自らの価値観を大きく揺さぶられる。
高橋は、今回の役について「“自分の世界を大事にしているところ”が似ていますし、とても興味深い世界観なのでうれしく思っています」と共感。座長という立場だが、「あくまで作品の1ピースなので、これまで通り作品と作品作りの現場を大事にしていきたいと思っています」と心境を語る。
また、「現代では、“足りない”という感覚が、多くの人たちを突き動かしているように感じます。一輝は、そういったものから少し外れている人間です。この作品は彼の成長譚(せいちょうたん)ではなく、彼の生き方を通して“足りている”という豊かな気持ちを、僕自身改めて気付き直していきたいですし、決して説教臭くなく、ある生き方の一例と共に皆さんにお届けできたらと思っています」とメッセージを寄せた。
高橋が出演した『僕のヤバイ妻』も担当したカンテレの豊福陽子プロデューサーは「セリフがなくても表情で語る。作品を思い出す時、彼が登場するシーンの表情が、ふと浮かぶ。そんな高橋さんの演技に心をつかまれたことのある方は、多いのではないでしょうか?」といい、「“善人、悪人、どちらにもなれる奥深さと幅広い演技力を持つ高橋さんを主演に迎えたい”。そんな思いから、この作品は始動しました」と経緯を説明。
「『生き物のフシギに目がない主人公・一輝をめぐるドラマを作りたい』と、一生さんに初めてお話しした時、ご本人から生き物や宇宙に関するフシギについてたくさんのお話を伺い、圧倒されたことを覚えています。そして、そのフシギな話をとてもうれしそうに語る一生さんを見て、『あ、一輝がもうここにいる!』と思いました」というエピソードを明かしながら、「不思議な包容力を持つ高橋さんの演技で、皆さんの足元にも広がっている“生き物のフシギ”の世界に、ふと目を向けてもらえたらうれしいです」と話している。