子どもにかかる教育資金にはいつでも不安が付きまとうものです。未就学児の子どもがいるマイナビニュース会員200名へ、教育資金に関するアンケートを実施した結果、8割近い人が子どもの教育資金に不安を感じているということが分かりました。
「大学まで国公立に通わせたとしても1,000万円はかかる」「私立に通わせたとしたら2,000万円もかかる」という話を耳にして、さらに不安を募らせていませんか? できれば私立の学校に通わせたいと思っているにも関わらず。
漠然とした不安に負けないように、最低でも月額いくらの貯金をすれば子どもを私立に通わせられるのか、またその貯金を効率よく増やす方法にはどんな工夫ができるのかを考えてみましょう。
私立と公立、それぞれの教育費
下表を見てください。一度は目にしたことがあるかもしれませんが、小学校から大学までにかかる教育費をまとめたものです。小学校から私立に通わせると約2,070万円、小学校から公立に通わせて、大学は国立だと約715万円の教育費がかかります。
勘違いしないでほしいのは、小学校入学時点でこの金額を用意しておく必要はないという点です。あくまで費用の総額がこの金額であると理解しましょう。
教育費の計算は、入学金を含めた授業料、給食費、学外活動費を対象としています。塾や習い事などの費用は含んでいません。「1カ月あたり換算」は費用の合計を就学期間(例:小学校は6年=72カ月)で割った結果です。
これを見ると、私立では1カ月あたり平均で10万円程度、公立(大学は国立)では4万円程度の教育費がかかることがわかります。月額10万円も教育費がかかるとなると、小学校から大学まですべて私立に通わせるのは、なかなか難しいと感じる人もいるでしょう。そんなときは、中学または高校から私立、最低でも大学は私立に通わせることも考えてみましょう。考える前提としては、「入学時点で教育費の総額が用意できるか」をベースにします。
大学から私立なら貯金額は月3万円
私立大学にかかる教育費は、約450万円です。小学校入学時点から貯金をはじめれば、大学入学まで12年の時間があります。毎月3万円を12年間貯金できれば、3万円×12カ月×12年=432万円になりますから、教育費の約96%をカバーすることが可能です。
小学校から高校まで公立に通わせたとすると、1カ月あたりの教育費が平均4万円程度。習い事や雑費を考えて計8万円の教育費がかかるとします。その上、月3万円の貯金を12年間するとします。
共働き家庭だとして、たとえば夫がフルタイムで年収500万円(月収41.5万円)、妻がパートタイムで年収100万円(月収8.3万円)で、世帯年収が600万円の家庭であれば、なんとかやっていけなくはない貯金額ではないでしょうか。
逆に言うと、月3万円でいいので大学入学に向けて貯金できれば、私立に入れられると言えますし、国立に入れるにしても、月15,000円×12年間=216万円くらいは貯金しておけば、安心して通わせられるでしょう。
中学、高校から私立に通わせたい!
もし中学や高校から私立に通わせたいと考えるなら、私立中学用、私立高校用、私立大学用と袋を分けて、それぞれ貯金できるか検討しましょう。
私立大学用の貯金額は3万円×12年間でしたが、私立高校は3年間で約310万円かかるので、同じように小学校入学時点から貯金するとすれば、9年間の時間があります。計算すると、月3万円×9年間=324万円になるので、これでまかなうことができます。
そうなると、毎月の貯金額の合計は6万円となるので、これを工面できるかどうかで検討しましょう。もちろん小学校入学前から少しずつ貯金を始めると、さらに毎月の負担は少なくなります。
私立中学では、入学まで6年間の時間があります。同じように計算すると毎月56,000円を6年間貯金できれば403万円になり、まかなうことが可能です。