わがままな芝居をしているという自覚

――W主演で改めて、互いに俳優としてすごいなと思ったのはどのようなところでしたか?

重岡:神ちゃんは、監督が「欲しい」と思っているイメージをそのままできる人だと思います。表情や声色を操るのがすごい。セリフも明瞭だし、監督がイメージしている芝居に対して、お芝居を精密にコントロールする人だと思いました。勝手な印象ですけど。

神山:シゲは、役を取り込んでる感じやなと思いました。今回の火賀は特にシゲと似ているところが多い役でしたが、それ以外の役でも「シゲ」なんですよね。「作ってます」という感じではなく、自分の中に役を入れているところがすごい。

――それは秘決があるんでしょうか?

重岡:リラックスして、何も考えないことでしょうか(笑)。正直、すごくわがままなお芝居をしていると思います。「あんま考えないほうがええやん」ということじゃなくて、自分なりに”考えない”理由があるつもりだから、迷うことなく、何も考えてないです!

――これまで出演された作品を見ると、重岡さんは片思いが多いですし、似合いますよね。

重岡:そうですよね(笑)。個人的に、恵まれない恋の方が好きです。だって、そっちの方がええやん、哀愁漂って。付き合った! ハッピー! というところを見せるのは、こっぱずかしくなっちゃう。

神山:どっちも、いいと思いますけどね。片思いの役は、より人間味が出そう。

重岡:不幸の中に幸せな部分を見つける姿がカッコよくも見えるし、共感できて、引き込まれるんじゃないかな。

嫉妬しないのは男のプライド

――今回の作品では「嫉妬」もテーマになってくると思います。お二人は周囲や互いに嫉妬する経験はありますか?

重岡:これ、勝手に男を語らせてもらうんですけど……。

神山:まだ24~5歳の男ですけど!

重岡: 嫉妬してる自分が嫌い、というプライドなんですよ! だからただ「悔しいだけ」なんです。

神山:悔しさで他人を落とすこともないし、自分を焚きつけるだけ。

重岡:そう! 頑張るのは自分やもんな! 悔しいだけなんです! めんどくさいでしょ? でもそうやんな?

神山:ほんまにそうやと思う。その人を妬んでもいいことはないし、なんやったら人間として嫌な風になる。

重岡:嫉妬してる男って、めちゃめちゃカッコ悪くありません?

――しろちゃんが嫉妬している姿はどうですか? インタビューのために第3話まで見せていただいたんですが、ここまでの展開だとかなりダークな雰囲気で。

神山:どうなるんでしょうね(笑)。

重岡:もう、4話で死にます。

神山:嘘です(笑)。

――ファンの人が見たらドキドキするかもしれないですね。

神山:普段見せるような顔でもないし、今までにない役だと思います。

  • 富田望生

    富田望生

「自分を好きになった」芸能人としての覚悟

――容姿のコンプレックスが根本にある作品だと思いますが、最近はSNSなどで「整形したい」「きれいになりたい」という思いが可視化されることが多いのかなと思います。そういった風潮については、どう思いますか?

重岡:俺、髪も染めたことないからなあ。でも、前向きに明るくなれるならいいんじゃないかな、とは思います。

神山:個人の自由だとは思いますけど、それよりも大事なのは生活が充実することだと思う。内から出る美しさというか。

重岡:でも容姿を変えて、充実できるって信じてたら?

神山:それでも中身が変わらないと、環境が変わらないからね。

――今回まさに、「外見が変わっても、中身が変わらないと……」という作品ですよね。

重岡:中身は絶対大事! 中身は絶対いるから! 外見がいくら良くても、中身がマストだよね。

――お二人はたとえば、「顔が好き」と言われるのはどうですか? 嬉しいですか?

神山:言われることは嬉しいですよ。

重岡:まあでも、言われ慣れてるからなあ……ごめんなさい、冗談や冗談! (笑) 嬉しいです。嬉しいけど、そこまで嬉しいかというとそうでもないかな?

神山:深いところまで喜ぶかというと、少し違うのかもしれません。

――自分自身のことは好きですか?

重岡:自分のこと、むっちゃ好き! もう、好きやねん、しょうがなくない?(笑) でも、ずっと好きだったわけでもなくて、嫌いなときもありました。ステージに立つから、だめなところはわかりやすいし、悔しくて悔しくてたまらないところから、自分を好きになっていった。

神山:俺らの職業って、誰かに支えてもらっているし、人前に立つから、自信を持ってないと失礼なんじゃないかな。パフォーマンスにも向き合って、自信を持てるところまでやり込んで、提供するのが筋だと思うから、「自分のことが嫌いではあかんな」と思っています。

■重岡大毅
1992年8月26日生まれ、兵庫県出身。2006年10月にジャニーズ事務所に入所。TV、CM、ドラマなどで活躍し、2014年にジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビューを飾る。これまでの主な出演作品に、テレビドラマ『SHARK〜2nd Season〜』(14)、『ごめんね青春!』(14)、映画『忍ジャニ参上! 未来への戦い』(14)、『殿、利息でござる!』(16)、『溺れるナイフ』(16)、『炎の転校生REBORN』(17)など。

■神山智洋
1993年7月1日生まれ、兵庫県出身。2004年2月にジャニーズ事務所に入所。TV、CM、ドラマなどで活躍し、2014年にジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビューを飾る。これまでの主な出演作品に、テレビドラマ『信長燃ゆ』(16)、『大貧乏』(17)、『名奉行!遠山の金四郎』(17)、舞台『ブラッドブラザース』(15)、『SHINKANSEN☆R 「Vamp Bamboo burn〜ヴァン・バン・バーン〜」』(16)、『炎の転校生REBORN』(17)など。9月には舞台『オセロー』出演を控える。