今夜デートの予定があるのに、「この後、一杯どう?」って部長から突然の誘い。こんなとき、どんな言葉で断りますか? そこで今回は、社会人としての上手な断り方をご紹介します。
■「断る」ということ
社会人になると、"断りたくても断れない"ことが往々にしてあるものですが、嫌なことや気が進まないことを断れずにいると、自分でも気づかないうちに、大きなストレスを抱えることになってしまいます。断れないのは、相手に対して悪いと思う気持ちや、人から悪く思われたくないという気持ちがあるからでしょう。
また、ビジネスシーンには、品切れや客室が満室の場合、クライアントからの無理難題など、"断らなければならない"場面も多々あります。相手を怒らせてしまうのではないかと思うと、上手く断れない人もいるのではないでしょうか。
こんなとき、人から悪く思われることなく、相手に不快な思いをさせることもなく、上手に断ることができたなら、どんなに楽だろう……と思いませんか? 本稿では、さまざまなケースごとに上手な断り方についてまとめてみました。ぜひ、参考にしてみてください。
■残念な気持ちを添える
「本当は断りたくない」という残念な気持ちを添えることで、悪い印象を与えることなく断ることができます。
・不本意ではありますが、今回は辞退させていただきます。
・せっかくですが、お気持ちだけ頂戴いたします。
・ニューヨーク勤務なんて願ってもないお話しですが、家庭の事情で、今、日本を離れるわけには。大変申し訳ありません。
・せっかく声をかけていただいたのですが、足手まといになると申し訳ないので、今回は遠慮しておきます。
■次があるという含みを持たせる
「今回は」「また」という言葉を用いることで、次があるという含みを持たせることができます。
・いろいろと説明していただいたのですが、今回は見合わせることになりました。
・今回用意した分は完売してしまいました。次回は多めに用意しておきますので。
・せっかくお誘いいただいたのに、その日は娘の運動会でして。また誘っていただけますか。
■代替案を提示する
代替案を提示できる状況であれば、お断りする前に相手に伝えましょう。「○○なら」「○○でよろしければ」といった言葉を用いることで、「無理です」「できません」という言葉を使わずして、相手の第一希望を断ることができます。代替案が無い場合には、丁寧にお断りしましょう。
・あいにく洋室は満室でございます。和室でよろしければお取りできるのですが。
・あいにくMサイズは在庫切れでして。同じデザインで、メンズのSサイズならございますが。
・今週は出張しておりまして。来週なら参加できるのですが。
ただし、この場合は実際に来週に変更される可能性もあります。本当に参加したくないのであれば、何かしらの理由を添えて、しばらく無理であることを伝えた方が良いでしょう。
■相手を立てる「他でもない」
「他でもない」という言葉を用いることで、相手を立てつつ断ることができます。相手もいい気分になりますし、自分の印象も良くなるでしょう。
・他でもない部長からのお誘いなのに、都合がつかず申し訳ありません。
・他でもない○○さんの頼みですが、お力になれず申し訳ありません。
■相手が諦めざるを得ない理由を添える
「仕事の都合」「家庭の事情」「健康上の問題」などを理由にされると、相手は諦めざるを得ません。また、本当に嫌な相手だったり、実はデートの予定があったり、家族が重病だったり……など、相手に言いづらい・言いたくない理由の代わりに用いるのも一つの手です。相手に不快な思いをさせるぐらいなら、"嘘も方便"ですね。
・その日は子どもとの大事な約束があるので、申し訳ありません。
・私も飲みに行きたいのですが、ちょっと体調がすぐれなくて。
例文では、少々具体的に理由を述べていますが、「家庭の事情」だけでも構わないでしょう。一般的に、こちら側が具体的に言わないことに対して、それ以上に突っ込んで聞いてくる人はいません。
■主導権を握る
・ごめんなさい。今仕事が忙しくて。落ち着いたら、私から連絡しますね。
・お話はよく分かりました。上司と相談して、こちらから連絡させていただきます。
「こちらから連絡します」と言われると、相手は連絡が来るのを待つしかありません。ただし、これは返事を先延ばしにしたに過ぎません。また連絡が来るようであれば、きちんとお断りした方が良いでしょう。
相手からの誘いや頼まれ事に、「嫌です」「無理です」「できません」と言うわけにはいきませんね。今回ご紹介した断り方は、ほんの一例です。大事なのは、相手に不快な思いをさせないこと。社会人としての上手な断り方を身に付け、仕事やプライベートに役立てましょう。