トヨタ自動車は26日、フルモデルチェンジした新型「クラウン」ならびに、新型車「カローラ スポーツ」を発売した。

  • 都内で行われた発表会にて、「カローラ スポーツ」(左)と新型「クラウン」(右)が同時にお披露目された

走る、曲がる、止まるに続く"つながる"という性能

今回発表された両車種ともに、“コネクティッド機能”の追加が目玉となる。車載通信機DCM(Data Communication Module)を全車に搭載したことで、遠隔で走行アドバイスや車両診断が受けられるようにしたというものだ。スマートフォンとの連携強化をはじめ、コールセンターを活用した迅速で適切なサポート、ビッグデータによる充実の情報など、同機能はより“安心・安全”で“快適・便利”なカーライフを提供してくれる。

  • 「LINEマイカーアカウント」使用イメージ。自分の愛車がLINEの友だちに追加され、マイカーと会話することができる

具体的なサービスとしては、「LINE」のトークでナビの目的地登録が行えるほか、ガソリン残量などの情報を得ることができる「LINEマイカーアカウント」をはじめ、ドアの開閉やハザードランプの点灯状態を遠隔でチェックできる「マイカーSecurity」、エアバッグ作動時に自動でオペレーターに接続してくれる「ヘルプネット」などを用意。未来のモビリティライフを実感できる機能を多数備えている。

  • 警告灯が点灯した際、車両から発信される情報をもとにコールセンター(または販売店)から適切なアドバイスを受けることが可能

  • ドライバーの運転傾向を“エコな運転”の観点から自動診断し、採点とアドバイスも配信してくれる

  • 「ドアロック閉めたっけ?」「ハザードランプつけっぱなしかも」という時でも、リモートでマイカーの状態を確認でき、ドアのロックやハザードランプ消灯などの操作を行える

「カローラ」がスポーティに

“全ての人に移動の喜びを”というコンセプトのもと1966年に誕生したカローラ。52年目を迎えた今年、12代目カローラシリーズの先駆けとして発売されたのが「カローラ スポーツ」だ。

  • 時代とともに変化するカローラのDNAを引き継いだ「カローラ スポーツ」

TNGAプラットフォームの採用により、低重心でワイドなシルエットを実現した同車両は、名前の通りスポーティな印象に。トレッドを拡大しタイヤを外側に出すなどの工夫で、踏ん張り感のあるスタイルに仕上げている。

  • 国内カローラ専用となるフロントエンブレムを一新。車名の頭文字「C」と3つの花冠をモチーフにした

  • ボディカラーは、新規開発色のオキサイドブロンズメタリック、スカーレットメタリック(オプション)、シアンメタリックを含む全8色を設定

インストルメントパネルの厚みを抑えてワイドになった室内は、シルバー加飾とブラックパネル構成で統一。上級グレード専用のオプションとして、ホールド性を追求したスポーツシートも用意している。

  • 7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイを中央に配置。スポーツシートには本革とウルトラスエードをあしらった

走りに関してもしっかりとスポーティに。5大陸、延べ100万キロの走行試験を実施し、グローバルカーとしてあらゆる環境下のユーザーに“走る喜び”を感じてもらえる乗り味となっている。

  • ガソリンエンジンモデルにはCVTを組み合わせている。8月には、インテリジェンスマニュアルトランスミッション(iMT)搭載車の発売も予定

パワートレインは、最高出力98PS/最大トルク142Nmを発揮する1.8リッター直列4気筒エンジンをベースとしたハイブリッドシステムと、最高出力116PS/最大トルク185Nmの1.2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンの2種を設定した。後者にはFFと4WDが用意される。

外観デザインを一本化した「クラウン」

15代目となる新型の「クラウン」は、グレード体系を刷新した。ボディタイプはこれまで「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」の3種をラインナップしていたが、エレガントかつスポーティなセダンとしてデザインを一本化。クラウンに対して抱かれる保守的なイメージからの脱却を図る。

  • ロングノーズのFRらしいプロポーションで再出発となる「クラウン」

  • 幅広く設定したグレード体系でユーザーのニーズに応える

6ライトウィンドウの採用による、ルーフからラゲージにかけての流麗かつ伸びやかなサイドシルエットが印象的な同車両。「RS」グレードには、流れるように点灯するLEDシーケンシャルターンランプ(フロント・リヤ)を設定したほか、メッシュタイプのフロントグリル、より低重心でワイドに見せるフロント下部のメッキモールや操縦安定性向上に寄与するサイドエアダムスカート、専用の18インチアルミホイール、4本出しエキゾーストテールパイプ、リヤスポイラー、ドアフレームブラック化など、スポーティ感を強調するポイントを散りばめている。

  • 運転中でも見やすい遠方配置の8インチディスプレイと、操作性を考慮し手前側に配置した7インチディスプレイの2つを連携させた新開発のダブルディスプレイ

内装は、シンプルで上質なつくり込みと先進デバイスとの対比によって品位と知性を感じさせるモダンなテイストに。本杢調パネルによる華やかで高級感のある演出と、ドアLED照明や3席独立エアコンなど後席装備を充実させたグレードも用意している。

  • プラットフォームを一新し、意のままの走りを実現。スイッチ操作で運転特性の切り替えが行えるドライブモードセレクトを全車に標準装備した。

TNGAに基づいて、車両性能もさらなる進化を遂げた。最も過酷と称されるドイツのサーキット・ニュルブルクリンクで走行テストを実施し、あらゆる状況で目線のぶれない走行安定性を実現。パワートレインは3タイプを備えている。

  • 「2.5リッターダイナミックフォースエンジン ハイブリッドシステム」は高い熱効率と高出力を両立し、JC08モードで24.0km/Lの優れた燃費性能を誇る

「V型6気筒3.5リッターマルチステージ ハイブリッドシステム」は、299PSの最高出力を持つエンジンと180PSのモーターで構成され、有段ギアを組み合わせてそれぞれの出力を制御する。2.5リッターのハイブリッド車には、「2.5リッターダイナミックフォースエンジン ハイブリッドシステム」を採用。2.0リッター車には、「2.0リッター直噴ターボエンジン」を搭載している。

  • 先進安全技術の充実も追求

両車種ともに、第2世代型の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備し、パーキングサポートブレーキも備えるなど、安全面においても抜かりなし。価格はそれぞれ、「カローラ スポーツ」が税込213万8,400円~、新型「クラウン」が税込460万6,200円~となっている。