四国最大級の水族館「四国水族館」が2020年3月、香川県綾歌郡宇多津町にオープンする。国内でも圧倒的な水景を誇る四国水系をテーマにし、四方を海に囲まれた四国ならではの水中世界をダイナミックに再現する。

  • 7月着工に先立ち、6月26日宇多津町内で記者会見が行われ、建設予定地である宇多津町の「うたづ臨海公園」にて起工式が行われた

    7月着工に先立ち、6月26日宇多津町内で記者会見が行われ、建設予定地である宇多津町の「うたづ臨海公園」にて起工式が行われた

世界最大の暖流「黒潮」とその先に広がる太平洋。大海原を感じる太平洋大水槽「綿津見の景」では、四国最大となる650tの水槽で飼育が難しいとされるカツオ類やアカマンボウが展示されるほか、アカシュモクザメの群れを上から見上げるサメ影水槽「鮫影の景」では、魚が回遊する姿を横から見る一般的な展示とは一線を画す、直径約4.5mの丸窓からサメの魚影を見上げることで、これまでにない臨場感や野生の姿を体感できる。

四国唯一の本格的なイルカライブが行われるイルカプールにも注目が集まる。海面からの高低差を減らすことで、まるでプールが目前の瀬戸内海と一体になったように錯覚するほどの躍動感を実現。特に瀬戸内海に沈む夕日をバックに行われるイルカライブは必見とのこと。

  • アカシュモクザメの群れを上から見上げるサメ影水槽「鮫影の景」も

    アカシュモクザメの群れを上から見上げるサメ影水槽「鮫影の景」も

四国水族館開発代表の流石学氏は、「四国水族館はこれまでにない『次世代型水族館』。時間帯や季節により変化する空間演出で、来るたびにその姿が変り、来る人を飽きさせない。オープン後も継続的に投資を続け、時代に即した形でコンテンツが充実する“進化し続ける水族館”を目指したい」とコメントしている。

開業地である宇多津町は四国と本州を結ぶ瀬戸大橋のふもとにあり、高松空港からも近く「四国の玄関口」と言える。アクセス良好な立地に集客力のある観光施設ができることで、宇多津町のみならず香川県内、さらには四国全体の観光産業が活性化されることが見込まれる。

四国を訪れる観光客は年間約1,400万人。観光が活性化されることで、多くの企業誘致や雇用の創出にもつながり、四国の地域活性化の起爆剤としての期待は高い。四国水族館は官民連携による「地方創生」をスローガンに掲げており、流石氏は「地元の子どもたちが地元・宇多津町を誇りに思える水族館となるよう、地域の方・地域の企業の方々と一緒になって盛り上げていく」とも語っている。

近年、四国水族館が位置する瀬戸内エリアは、直島をはじめ現代アートの聖地として国内外から注目されており、開業年の2020年は東京五輪の開催年と重なることからも海外からのインバウンド効果も期待できる。四国水族館は、初年度入館者数120万人を目標に掲げ、2年目以降も年間70万人の安定的な集客を目指す。