KYMCO(キムコ)はこのほど、台湾・台北市にて電動バイクプラットフォームIonex(アイオネックス)を使用した2種のEVスクーター「New Many 110 EV」と「KYMCO Nice 100 EV」を発表した。

  • 「New Many 110 EV」「KYMCO Nice 100 EV」発表の場にはキムコの会長を務めるアレン・コウ氏も登壇

美しくレトロなスタイルの「New Many 110 EV」は若い世代を対象に設計されており、一方の「KYMCO Nice 100 EV」はより幅広い年代の二輪車ユーザーをターゲットにしているという。同社は今後3年間に10種類のEVスクーターを発売する予定とのことで、今回発表した2車種はその先駆けに位置づけられる。

  • 「New Many 110 EV」

  • 「KYMCO Nice 100 EV」

“差別化”をひとつの柱と謳う両モデルは、他のEVスクーターがバッテリーを搭載するためにシート下の収納スペースを減らしているのに対し、これまでで最大となる収納スペースを確保するなどの革新的な設計を採用。バッテリーを取り外すプロセスも驚くほど簡単になっている。

  • バッテリー重量は5kgと極めて軽量に。バッテリーには5年保証、モーターには10年保証が付く。

  • バッテリーは足下に格納される

他社のスクーターはバッテリーを取り外したら乗ることが不可能となるが、キムコのスクーターは乗り続けることが可能で、バッテリー充電中も運転を続けられる。また、ライダーに電源コンセント・ネットワーク、充電ポイント・ネットワーク、エナジーステーションを提供しており、航続距離の心配も不要に。

  • Ionex充電ステーションは公共駐車場などに設置される

同社は、台湾の消費者に充電インフラを提供するため、今回発表したEVスクーターの出荷開始当日にIonexの充電ステーション1,500カ所を利用可能にする計画だという。2019年末には充電ステーションを2,000カ所に増やす予定で、これによりライダーは簡単に交換可能な共有バッテリーを借りて長距離旅行にも出かけられるとしている。さらに同社は、2年間で共用の電源スポットを3万カ所以上も整備し、ライダーの航続距離に対する不安を取り除いていく。

  • 20年前に開発された同社初のEVスクーターは航続距離が30kmで、充電には6時間ほどを要していたという。同車両は急速充電で1時間あれば充電が完了し、航続距離は60km~(定速30km/h)にまで向上している

「New Many 110 EV」は8月に発売を予定しており、政府補助金適用後の価格は1,420USドル(約15万6,000円)~を見込んでいる。「KYMCO Nice 100 EV」の発売は10月の予定で、990USドル(約10万9,000円)~と、より入手しやすい価格設定を目指す。

今回発表された2車種はライトデューティ・クラスに位置づけられ、これに続いて、レギュラーデューティおよびヘビーデューティのEV車を発売していくとのこと。

  • 発表会の模様

  • 「New Many 110 EV」 ボディサイズは全長1,730×全幅670×全高1,070mm、車両重量は97kg(コアバッテリー、交換可能バッテリー5kg含)

  • 「KYMCO Nice 100 EV」 ボディサイズは全長1,710×全幅650×全高1,010mm、車両重量は87kg(コアバッテリー、交換可能バッテリー5kg含)