俳優の竹内涼真(25)が、嵐の二宮和也主演のTBS系日曜劇場『ブラックペアン』(毎週日曜21:00~)で、研修医・世良雅志役を好演中だ。医師たちの激しい権力争いが繰り広げられ、二宮演じる“オペ室の悪魔”こと渡海征司郎のダークヒーローぶりも炸裂する中、まっすぐな性格で真摯に医療と向き合う世良も際立った存在感を放ってる。

そんな竹内に、本作での役作りや撮影エピソードについてインタビュー。前・後編で紹介する。前編では、念願の医療ドラマ出演の感想や、演じる世良への思いや自身との共通点、3度目の日曜劇場出演などについて聞いた。

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    竹内涼真 撮影:蔦野裕

念願の医療ドラマで感じた大変さ

――医療ドラマに出演したかったとおっしゃっていましたが、その理由を教えてください。

小さい頃からドラマをよく見ていたのですが、その記憶の中で医療ドラマを鮮明に覚えていて、この世界に入って「どういうドラマやりたいですか?」って聞かれたときに医療ドラマがパッと思い浮かんだんです。実際やってみるとすごく大変でした(笑)

――特に印象に残っている医療ドラマは?

けっこうあります。『救命病棟24時』、『医龍』、『JIN -仁-』、『Dr.コトー診療所』など、たくさん見ていました。

――実際やって大変だと感じたのは、どういうところですが?

台本と現場に入ってのギャップがかなりあるんです。手術室や病室、会議室のシーンがすごく多いですが、簡単に台本通りにはいかないというか。命を扱っているっていうこともあり、その重みがありますね。

――舞台挨拶でも手術シーンが大変だという声が上がっていましたね。

いろんな角度から撮っていて、撮るものが多いので時間がかかります。ただ、完成した映像を見て、あれだけ時間をかけているからすごみのある映像になっているのだと思いました。

――手術シーンがとてもリアルに描かれていますが、いかがでしたか?

心臓外科は心臓そのものと向き合うという印象なので、時間が経ってくるとリアルだなという感じではなくなります。どこが悪いのか、そこに集中するんです。でも、不思議なことに、実際に現場で見ているより、カメラを通した方がリアルに感じました。

――研修医としての特訓はしていますか?

外科結びなど、縫合の練習はしました。そのセットをもらっていたので暇な時に。僕は早くできて、先生に「すごい!」と言ってもらいました。

――もともと手先が器用なんですか?

いえ、手先を使う作業は得意な方ではないんですけど、ちゃんと僕が縫っている場面もあって、なるべく嘘がないようにやった方が見ている人に伝わると思うので、そこは一生懸命やっています。

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世良と自身の共通点は?

――世良くんはサッカー部出身で真っすぐな性格。設定だけ見ると竹内さんに近いのかなと思いましたが、いかがですか?

自分ではあまり似てないかなと思っています。体育会系出身でハキハキしているというのは、ちゃんとできる人間だと思っていますし、人の命を助けたいという思いがあって、医学部を卒業して心臓外科に入るってことはある程度できる人なんですけど、そういう自信や強気な部分を全部、すごい先生たちにぶち壊される。何もできないでいるシーンが多く、そういう時期は僕もあったかもしれないですけど、自分に似ているかと言われると似てないですね。

――竹内さんは迷わない性格ですか?

基本的に迷わないです。日常的にも「どうしようどうしよう」ってなる性格じゃないと自分では思います。単純なんです。だから演じていて、なんで世良はできないんだろうってモヤモヤすることが多かったですね。

――お芝居も迷わないですか?

お芝居は迷います。特に今回難しくて。僕の役は見ているお客さん目線というか、強くなりすぎてもいけないし、弱くなりすぎてもいけないし、そのいいところをとっていかないといけない。また、病院で起こる出来事として必要な動きに、セリフがプラスされるので非日常なんです。実際の医療現場はこんなにしゃべらないでしょうし、そういった面で視聴者の方々が置いて行かれないようにというところを探っています。その正解を探すのには時間を割いています。

――役に入り込むオンオフのスイッチは?

役によりますが、今回の役は、ふつふつと徐々に沸点までにいけるようにしています。そろそろ始まりそうだなっていう前からちょっと準備します。いつも新鮮なリアクションをしないといけない役で、驚いたり困ったり動揺したり、何もできないでパニクったりというシーンが多いので、そのために準備しています。

――ちなみに『陸王』の茂木役はどうでしたか?

またちょっとその温度が違います。今の世良くんの方が楽しい準備ではないです。『陸王』は体が動くように準備するというシーンが多く、ネガティブな準備ではない。だから気持ちがどんどん高まっていくんですけど、今回の場合は高まっていくのではなく、どっちかっていうと息苦しい準備ですね。

――それに引っ張られてプライベートも落ちることはあるんですか?

そこまで引っ張られないですけど、多少はあるかもしれないです。撮影終わってすぐは役の感じが残ってるかもしれませんね。顔つきもいつもと少し違うかもしれません。

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