JR東日本グループの鉄道会館は、28日からスタートした「銀の鈴50周年フェア」の記念企画として、東京駅の待ち合わせスポットである「銀の鈴」の初代から4代目までのすべてを一挙公開するお披露目除幕式を実施した。歴代の「銀の鈴」がひとつの場所に集結することは、誕生50年の歴史でも初めての出来事だという。

  • 東京駅「銀の鈴」初代から4代目まで一挙公開

初代「銀の鈴」は自然劣化によりすでに失われていたが、今回の企画に合わせ、当時の写真にもとづき復元。現役のJR東京駅の駅員によって50年前と同じ工法での復元作業を実施した。一堂に会した4つの「銀の鈴」は、6月17日までの期間限定で公開される。

除幕式では、登壇したJR東日本 東京駅長の小池邦彦氏が、「いまのように携帯電話がなかった時代に銀の鈴は誕生し、待ち合わせ場所として好評でした。今後時代が変わっても、銀の鈴に集っていただきたく思います」と挨拶し、続いて鉄道会館の代表取締役社長、井上進氏が、会場に集まった人々に向けて「グランスタは開業以来、銀の鈴とともに成長してきました。お客さまに支えていただき、多くの方の思い出が詰まった、銀の鈴をこれからも大切にしていきます」と述べた。

「銀の鈴」は1968(昭和43)年6月10日に誕生。当時の東京駅は東海道新幹線の誕生にともない利用者が増加し、待ち合わせに困る人が目立つようになっていたという。そこで「待ち合わせ場所として、巨大な銀色の“神社鈴”をつり下げたらどうか」と当時の東京駅乗客助役・関口要之助氏が提案。初代「銀の鈴」が竹と和紙による手作りで制作され、東京駅構内1階に設置された。

その後、好評により鋳銅製の2代目が1969年に、3代目が1985年に設置され、1994年に北陸新幹線乗入れなどによる東京駅改良工事のため、地下1階に移転。現在設置されている4代目「銀の鈴」は、2007年10月25日の「グランスタ」開業に合わせ、当時の東京藝術大学学長で金工作家の宮田亮平氏のデザインにより誕生した。直径80cm、重量約70kgのアルミ合金製で、毎時0分に鈴の音をイメージしたメロディーが鳴る。