世界最高峰の自動車競技・ラリー。男たちの熱い戦いをダイナミックに描いた映画『OVER DRIVE』が6月1日より公開される。メカニックの兄・篤洋(東出昌大)と、天才ドライバーの弟・直純(新田真剣佑)の確執と絆、そしてド迫力のレースシーンが観ている方も熱くさせること間違いなしの作品だ。

今回、作中でライバルとして対峙する直純役の新田と、敵チームのドライバー・新海役の北村匠海は、実はプライベートでは友人関係だという。完成披露試写会でも”2人の世界”を繰り広げ、互いに役者としてリスペクトしあう2人に、話を聞いた。

  • 左から北村匠海、新田真剣佑 撮影:荒金大介

    左から北村匠海、新田真剣佑 撮影:荒金大介

家に帰って匠海がいてくれたら…

――まず、完成した映画を観た時の感想はいかがでしたか?

新田:まるで、すごい映画になったと思いました。観終わったあとに匠海も、(森川)葵も、兄貴(東出昌大)もLINEで連絡をくれましたし、迫力のある素晴らしい映画ができました。

北村:観終わったあとに、「真剣佑の全てが詰まった映画だった」という内容の連絡をしました。今回僕は、東出さんと真剣佑の作り出す世界の一員になれればと思いました。同じ世代の真剣佑がここまでやってくれると思うと、結構しびれましたね。そして主演の東出さんのお芝居の熱量もすごくて、とても勉強になりました。羽住(英一郎)監督しかこの映画は撮れないと思ったし、関われたことがすごく嬉しかったです。

――久しぶりの共演で、役者としてのお互いの印象を教えてください。

新田:僕はもともと匠海の芝居が大好きなんです。芝居の面でも尊敬していて、一緒にいたいと思います。友達は少ないのですが、同世代で匠海が一番好きですし、今回はあまり一緒のシーンはないですけど、見ていて「怖いなあ」と思う役者だと思いました。

北村:2人とも、友達が少ないんですよ(笑)。以前共演した『仰げば尊し』というドラマで、目の前で見た真剣佑の芝居に惚れてから、お互いに芝居で繋がっていた感覚があります。『OVER DRIVE』に行き着くまでに、それぞれジャンルの違う映画に出て大きくなって、また一緒に作品をやれたことは嬉しかったですね。

一緒にやるシーンは多くはなかったけど、逆に印象的でしたし、真剣佑の芝居を目の前で見て「こいつは、でけえなあ」と思いました。すごく堂々と、地に足のついている芝居をしていたので、人間としての大きさを見せてもらいました。ライバル役としても、意識させてくれたと思いました。

新田:匠海は、数秒しかない顔のアップのシーンでも物語るから。自分にはまだできないと思う芝居もやってくれるので、羨ましいです。でも、そう思わせてくれる役者に出会いたいので、匠海の芝居を間近で見れるのは幸せです。

――自分たちが「仲良いな」と思う時のエピソードがあればぜひ。

新田:いつもです。

北村:(笑)。電話をいつもマメにくれます。しかもテレビ電話で、互いの相談のような時間が多いですね。この職業って、自分と違う人格になる大変さがあるので、「頑張ってるよ!」と言い合う、慰め合いみたいな時間が(笑)。

――新田さんはどういうときに北村さんに電話したくなるんですか?

新田:心細い時(笑)。家に帰って「ただいま」と言う人がいない時に、匠海がいてくれたらな、と思います。……なんだこの気持ち悪い時間は。

北村:いつか僕が、真剣佑のマネージャーになるわ(笑)。