オリジナルからアンティークまで多種多様
古庄氏は元々、趣味の延長でグッズを個人で仕入れており、海外にもすでにコネクションがあったという。そのため店内には、古庄氏でないと仕入れができないものレアなものがたくさんそろっている。実際、このショップができたことでさくら館の人の流れも変わり、ショップ目当てで地方から来る人も少ないという。
一番人気の商品は、空港名がデザインされたステッカーや、空港名や航空会社がデザインされたストラップ等。特にこの空港名のネックストラップは、このショップのオリジナルデザインとなっている。パイロットTシャツ等はなんちゃって感があってかわいらしく、滑走路デザインの玄関マット等は航空ファンの友人にプレゼントすればきっと喜んでもらえることだろう。
古庄氏が撮影した航空写真のポストカードや航空関連の書籍もあり、掘り出し物コーナーには、アメニティーなどの一品ものも。確かにアメニティーは飛行機に乗ればもらえるものではあるが、実際にファーストクラスに乗れるかどうかはまた違う話だろう。
取材時には、"ピカチュウジャンボ"で知られたANAの「JA8957アウトサイドウィンドウ」が30万円から20万円にセールされていたが、もちろんこれも一品もの。その側には「国内線上位クラスシート(革張り)」(32万5,000円)等が並んでいた。これらのシートは、1カ月に1個ぐらいの頻度で売れているという。
以前、ANAがボーイング747-400Dのシートを7つだけ販売した際、1人席が64万7,000円、2人席が74万7,000円(税込、梱包発送料金込)という値段がついていた。そのことを知っていれば、「これは安い」と感じられる……かどうはかその人次第だろう。シートはオリジナルタイプのほか、張り替えタイプもある。
オリジナル商品として興味深いと思ったのが、救命胴衣を用いたトートバッグ。救命胴衣は万が一の場合しか使用されないものだが、安全性を確保するため、未使用でも6,7年で交換となる。このトートバッグはそうした未使用の救命胴衣を素材にして作られており、強度も防水性もしっかりしている。
DJに導かれて今日もとっておきの飛行機を
フライトカフェ・チャーリイズでは定期的にイベントを開催しており、過去にはフラダンスや機内食のイベントも展開していた。店内のビジョンには、古庄氏が監修したDVDや航空会社のプロモーション映像が随時、流されている。ショップエリアにはフライトレーダーを映したビジョンもあり、場合によってはショップスタッフがDJになってアナウンスもしてくれる。
DJのアナウンスは、何分・秒後にどこの航空会社の飛行機が着陸するという情報のみならず、どんな機材で、どんな塗装がされているのか、さらにはその機材や塗装に関する情報までも教えてくれる。飛行機好きでなくても「そんな特別な飛行機が来るの? 見に行かなくっちゃ」という気持ちになってくるだろう。
店内でもその姿を楽しむことができるだが、さくらの山へは歩いて1~2分なので、間近に楽しみたい人は、アナウンスを聞いてから移動でも十分間に合う。ちなみに、このアナウンスはさくらの山でも流されている。ひっきりなしに飛行機は訪れるので、公園内でのんびりしながら飛行機の到来を待つのもいいだろう。
古庄氏がこのさくらの山とさくら館を盛り上げたいと願う理由のひとつは、"日本ならではの文化"とも言える、飛行機を展望できるエリアの保持にある。世界の航空会社や空港を撮影してきた古庄氏から見て、欧米ではプライベートジェット機も含め、飛行機は生活に馴染んだ存在であり、あえて飛行機を展望するという意識が日本よりも希薄なように感じると言う。実際、海外には展望台がない空港も珍しくない。
さくら館は道の駅であり、車がないとアクセスしづらい場所ではあるが、成田空港から車で9分の距離ゆえに、成田空港からさくら館を目指してタクシーで訪れる人もいるようだ。本数に限りはあるが、JR/京成「成田駅」や成田空港間ではバスも運行されている。成田空港とあわせて、この飛行機を感じられる空間を楽しんでみるのもいいだろう。
※価格は税別