日本での販売台数を8年連続で伸ばしているルノーが新型SUVを発表した。昨年新型に切り替わった「メガーヌ」とプラットフォームやパワートレインを共有する「カジャー」だ。ライバルの多いSUVカテゴリーで「カジャー」の魅力はどこにあるのか。試乗でチェックしてみた。
「コレオス」と「キャプチャー」の間を埋めるクルマ
日本の多くの人は知らないかもしれないが、ルノーのSUVの歴史は長い。同社がルーツと位置付けているのは1950年発表の「コロラル」だ。車名は植民地を表す「コロニアル」と郊外を示す「ルーラル」を組み合わせた造語で、ワゴン/バン/ピックアップがあり、後輪駆動を基本としつつ4WDもあった。
その後も「4」(キャトル)をベースとしたオープンボディの多用途車「ロデオ」、欧州小型ミニバンの先駆車である「セニック」の車高を上げて4WD技術を組み込んだ「RX4」など、SUV的な車種を何度か送り出してきた。
日本に正規輸入されたルノーのSUVは、この「セニックRX4」が最初で2001年の発売。続いて、2009年に「コレオス」が上陸した。コレオスはルノーが日産自動車とアライアンスを結成したあとの設計で、プラットフォームやパワートレインは当時の日産「エクストレイル」と共通だった。
続いて、2014年に発売されたのが「キャプチャー」だ。こちらは同じルノーの「ルーテシア」や日産「ジューク」とプラットフォームやパワートレインを共有した、コンパクトSUVと呼べるジャンルに属する車種。欧州のクラス分けではBセグメントに属する。そして今年、コレオスとキャプチャーの間を埋める車種として加わったのが「カジャー」だ。
カジャーはルノーではメガーヌ、日産ではエクストレイルとプラットフォームを共有する。この点は、ほぼ同時に新型に切り替わったコレオスと共通だが、コレオスは同時にサイズアップしてDセグメントを担当することになり、カジャーがCセグメントに属することになった。
上では今年登場と書いたが、カジャーは昨年、BOSEのオーディオシステムを備えた仕様が100台限定で日本に上陸している。SUV人気が盛り上がる中でコレオスの輸入が終了し、メガーヌは新型への切り替え待ちというタイミングで、いち早くカジャーを紹介したかったのかもしれない。