19日にスタートするディーン・フジオカ主演のフジテレビ系ドラマ『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(毎週木曜22:00~ ※初回15分拡大)。同局の太田大プロデューサーが、ディーンの新たな姿や、西谷弘監督とタッグを組んだ今作にかける思いを語った。

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    ディーン・フジオカ(左)と西谷弘監督=フジテレビ提供

ディーン演じる柴門暖が、冤罪で地獄に突き落とされた環境から這(は)い上がり、自らを陥れた者たちへ復讐していく同作。この設定について、太田Pは「私も西谷監督もディーンさんも"ヴァンパイア"というイメージを持っていました。人間らしさがあまりない存在、人間として生きる幸せを感じることなどをすでに捨てている人。復讐のみに向かっている心が殺されている人物像を考えた際に"ヴァンパイア"というイメージが浮かび上がり、それをもとに主人公像を膨らませていきました」と明かす。

そんな"復讐鬼"を演じるディーンは「いつもの気品ある格好よさのディーンさんに加えて、とにかく"薄ら恐ろしい"ディーンさんを感じていただけると思います。笑顔でも目が笑っていない。貴公子的な笑みの奥に潜む絶対零度の冷たさを持った不気味な笑いを披露していただきたいと思っています」と予告。「冒頭で"心から沸き立つ笑顔"を持っている純朴な主人公のディーンさんと、復讐鬼として舞い戻ったディーンさんの対比は、ものすごくショッキングなものになると思います。今回はあらゆるビジュアルのディーンさんをお見せできると思います」と自信を示した。

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今回、演出面で大きな特色となるのは、"ミュージカル要素"を導入する点だ。「西谷監督と今回の作品に取り組む際、本作は原作が海外のものなので、日本のドラマとは少し違う要素を入れ込みたいという発想から"ミュージカル要素"を取り入れたらどうだろうかという話が出ました。監督の提案で、たくさんの人が出る大がかりなシーンを設けることでドラマを盛り上げたいという気持ちで、今回見どころのひとつとなる演出に取り入れさせていただきました」という。

歌や踊りのシーンを通して、作品の世界観を伝えるという考えは、ディーンも持っていたそうで、イメージとしては、心の叫びを歌と踊りで表現した映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)。そうして出来上がったシーンは「主人公・暖の幸せな時代を象徴する暖かみのあるシーンになりました」という。

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原作は、1840年代にフランスで発表された復讐劇の決定版。それだけに、太田Pと西谷監督の間で、「現代日本で視聴するときに、異世界になり過ぎないようにしたいと考える中で、誰しもが持ちうる人間の根源的な要素をしっかり描きたい」という共通認識があったとのこと。

「原作は、登場人物のキャラクターの濃さや、伏線の張り方とその回収など、エンタテインメントの教科書とも言える作品であり、ストーリー展開の面白さは脚本家の黒岩勉さんが手掛けられていることで保証されていますので、あとはどれだけ"心理描写"を丁寧に描けるか、えぐり取るように描けるかが勝負だと、監督と黒岩さんと相談し、取り組んでいます」と挑んでいるそうだ。

また、太田Pは「西谷監督は登場人物の心情を、セリフの言い回しに加えて、小さな表情1つ1つを通して、細かい心理描写を映し出していく監督です。登場人物たちが本当に生きている感触を自然に映し出しながらも、その裏には、撮影手法から、美術品の精度、ロケ地選定、映像編集まで、すべてを踏まえた上で、頭の中で組み立てたまだ見ぬ映像が視聴者にどのように映るのかを非常に緻密に計算されています。その計算の結果が、作品全体の世界観を作り出し、ワンシーンごとの力強さに現れています」と強調している。

(C)フジテレビ