メールを送る際、相手のメールアドレスを入力する欄が「TO、CC、BCC」の3種類に分かれていますが、みなさんはその違いを正しく理解しているでしょうか。そこで本稿では、今さら聞けないビジネス用語「TO、CC、BCC」の特徴や使い方についてご紹介します。

  • TO、CC、BCCの違いは? - 正しい使い方を紹介

■「TO」とは

「TO」は"宛先"と書かれていることもある通り、メールを読んでもらいたい相手のアドレスを入力します。「あなたに読んでほしい」「あなたから回答がほしい」「あなたに作業してほしい」という意志表示になります。

また、「TO」に入力できる相手は一人とは限りません。例えば、あなたが忘年会の幹事となり「忘年会のお知らせ」を参加者に送信したい場合、「TO」の欄に参加者全員のアドレスを入力すれば一斉に送信することが可能です。「TO」には、複数名のアドレスを入力することもできるということを覚えておくと良いでしょう。

■「CC」とは

「CC」は「carbon copy(カーボンコピー)」の略で、「TO」の○○さんに送ったメールを「共有してほしい」「一応目を通してほしい」と思う相手のアドレスを入力します。また、「TO」にも「CC」にも同じメールが送信されますので、「TO」「CC」の両受信者は、互いに誰にこのメールが届いているのか、誰がこの内容を共有しているのかを知ることができます。特にビジネスメールにおいては、社内、部署内、チーム内等で情報を共有しておく必要があるため、「CC」は頻繁に利用されます。

■「BCC」とは

「BCC」は「blind carbon copy (ブラインドカーボンコピー)」の略で、基本的には「CC」と同様、「TO」の○○さんに送ったメールを共有してほしいと思う人のアドレスを入力します。

では、「CC」と「BCC」は何が違うのか。それは、「BCC」のメールアドレスは、他の受信者には表示されないということです。「TO」や「CC」の人はもちろんのこと、「BCC」同士であっても「BCC」に誰がいるのかが分からないのです。こんな時に使うと便利です。

  • 自分のアドレス変更メールを、面識がない複数の相手に一斉に送りたい場合
  • 取引先へのメールを、取引先と面識のない自社の上司や同僚などと共有したい場合

"他者にメールアドレスを知られない"という「BCC」ならではの特徴を、しっかりと頭に入れておきましょう。

■「CC」「BCC」の注意点

「CC」と「BCC」の選択には注意が必要です。なぜ「BCC」というものがあるのかを考えればわかる事ですが、例えば、あるプロジェクトの依頼主であるA社を「TO」に入れ、そのプロジェクト業務の一部に携わるB社にも同じメールを送りたい場合には、A社とB社に面識があるかどうかの確認が必須です。

もし、面識がないにもかかわらずB社を「CC」に入れてしまうと、お互いにメールアドレスがわかってしまうため、個人情報の漏えいになってしまいます。両者の関係について確認できないようであれば、「BCC」を選択しましょう。

■返信の仕方

「TO」でメールを受信した人には、基本的に返信の義務があります。「忘年会のお知らせ」のような内容であれば受け取るだけでも構いませんが、特に、「TO」が自分一人である場合には、送信者はあなたに何かしらのアクションを求めているのですから、必ず返信しましょう。また、「CC」付きのメールの場合には「全員に返信」するのがマナーです。そうすることで、引き続き「CC」の人とも情報共有を図ることができるからです。

「CC」や「BCC」でメールを受信した人には、原則返信の義務はありません。内容によって返信する必要がある場合には、「CC」で受け取ったならば「全員に返信」を、「BCC」なら「送信者のみ」に返信するのが一般的です。

ただし、個人的な質問であったり、やりとりを繰り返しているうちに全員で共有するような内容ではなくなってしまう事もあるでしょう。そんな時には、差出人本人に限定して返信するなど、本当に全員で共有すべき情報かどうかを考えて判断することも必要です。


今回は、「TO、CC、BCC」について紹介しました。ビジネスメールは、いつ誰に何を伝えたか、自分の業務の進捗状況を記録しておくことにもなる便利なツールです。それぞれの特徴を理解し、ビジネスシーンで上手に活用していきましょう。