『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』は全編バカ話

――これまでに聞いていたラジオ番組のなかで、一番好きな番組をお教えください。

1つに絞るのは難しいんですけど……『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』(05年スタート・ニッポン放送)ですかね。初回から最終回まで録音してあって、すでに5周くらいは聞いてます(笑)。全編バカ話で、真面目なところが一切ないのが良いんですよ。あとは有田(哲平)さんと上田(晋也)さんの関係性ですよね。学生時代の思い出話がたくさん出てきて、その仲の良さが放送からも伝わってきますから。

――現在放送中のラジオ番組でお好きな番組はなんですか?

『オードリーのオールナイトニッポン』(09年スタート・ニッポン放送)です。実は僕、若林さんと生年月日がまったく一緒なんですよ。なので、有名になる前から密かに注目していたんですが、お二人が僕と「同世代」というのが大きいと思うんです。ラジオ聞き始めたころはパーソナリティがみんな年上で、兄貴的な意識が強かったんですけど、自分がアラフォーになって、「世代」をすごい意識するようになりまして。同世代の方のラジオだと、触れてきたテレビ番組や聞いてきた音楽が同じだから、例え話がすぐ理解できるし、いま考えていることや感じていることも近くて、話に共感できるんです。そういう「世代」の感覚は今回、本を作る過程でもすごく感じたことした。

――その他に思い出深いラジオ番組はありますか?

本書内でも少し触れましたが、『ラブレターズのオールナイトニッポン0』(14年スタート・ニッポン放送)ですね。当時『お笑いラジオの時間』でインタビューした後に、番組内で結構イジられたので(笑)。原稿や写真選びの修正を放送中に公開で指摘されたりとか。「取材を受けました」と番組で触れてもらうことはよくあるんですけど、そんな風に名指してイジられたのは初めてだったので、ゾクゾクしました。当時はビビってたところもあるんですけど、良い思い出ですし、放送の内容も含めて思い入れがある番組です。

『深夜のラジオっ子』

『深夜のラジオっ子』
ラジオの構成作家の証言をもとに、80年代、90年代を中心に深夜ラジオの裏側を語り尽くす。ラジオがもっと好きになる1冊。

オススメの声優ラジオとは

――『深夜のラジオっ子』ではお笑い芸人さんによるラジオ番組のほかにも、声優さんのラジオに携わっている伊福部崇さんや長田宏さんなどにも取材されています。村上さん自身も声優さんのラジオを聞かれるとのことですが、お笑いラジオにない魅力をお教えください。

声優さんのラジオはファン向けの要素が強いので、ハードルが高く感じるかもしれませんが、面白い番組も多いですよ。「声」という部分での聞きやすさもありますし。あと、皆さんラジオのキャリアも豊富だし、ラジオ愛も強いんです。この3月で終了してしまいましたが、鈴村健一さんの『ユニゾン!』(15年スタート・文化放送)は『オードリーのオールナイトニッポン』と並んで好きな番組でした。昔の深夜ラジオのノリといいますか、馬鹿と真面目、両方の要素があって、バランスが良かったんですよ。

オススメを挙げるなら、田村ゆかりさんの『田村ゆかりの乙女心症候群』(17年スタート・文化放送)は面白いです。田村さん自身もリスナー経験が豊富で、『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』をポッドキャストで聞かれてた方なんです。さいたまスーパーアリーナや日本武道館でライブをやる人気声優なのに、ラジオではそういう活動にほとんど触れなくて。話すのは冷蔵庫の中身とか自分から半径3mぐらいの話題ばかり。それを面白おかしくちょっと自虐的に話されているので、オススメです。

――それでは最後に、4月からスタートするラジオ番組で期待しているものがあればお聞かせください。

『深夜のラジオっ子』なんて本を作っていることからもわかるように、やっぱり深夜帯のラジオが僕の中心なんですよね。『ユニゾン!』が『ユニゾン!〜ジェネレーション〜』へとリニューアルして、全曜日パーソナリティが変わるんですよ。皆さん若い声優さんで、正直、顔と名前が一致しないぐらい前知識がないので、どんな放送になるか楽しみです。『オールナイトニッポン0』の新パーソナリティもほとんど知らない名前なので、そういった方々がどんな放送をするのか今からワクワクしています。