より軽量な「CX-5」で感じたディーゼルの加速

クリーンディーゼルエンジンの方は、CX-8に搭載された際にすでに試乗した経験がある。CX-8はCX-5と同じ車幅だが、3列シートを実現するため全長が長く、グレードにより若干の差はあるものの、車両重量も200キロ前後は重くなる。それでも快適な加速が得られるようにと性能が高められ、またディーゼルならではの振動や騒音をより改善したエンジンとしてCX-8に採用された。

  • マツダ「CX-8」

    「CX-8」(画像)で登場した新しいクリーンディーゼルエンジンが「CX-5」にも載る

振動や騒音に関する快適性の向上はCX-8試乗の際に実感できたが、加速性能については、日常的に頻繁に調節が行われるであろう時速10キロほどの加速領域でやや物足りなさを覚えた。より強い加速をさせて速度を上げたいときには、ターボチャージャーの過給による力強さを実感することができた。

今回、CX-8に比べ軽量なCX-5でこの新クリーンディーゼルエンジン車を運転してみると、CX-8で物足りなさを覚えたわずかな速度上昇の折にも、全く遅れなく加速するのを体感した。また、快適性においても、気筒休止を採り入れたガソリンエンジンより静粛性に優れると感じたほどだった。

  • マツダ「CX-5」

    「CX-8」より軽い分、「CX-5」ではディーゼルエンジンの加速の良さをより感じられた

最新技術を横展開するのがマツダ流

進化した技術が実用化されたら、できるだけ早くさまざまな車種へ展開する「商品改良」を、マツダは新世代商品群から行っている。そして今回も、現行車種において、モデルチェンジを待たず次々に進化していく嬉しさを改めて確認することができた。

クルマのモデルチェンジまでの期間は、一般的に5年前後といったところだ。CX-5も2012年の登場から5年を経た昨年、モデルチェンジを行っている。その間、最新技術を採り入れ、日々クルマを進化させ続けるマツダ流の商品改良は、なぜ可能になるのか。