マツダは主力SUVの「CX-5」に商品改良を施して2018年3月に発売した。2012年に新しく誕生したCX-5は、マツダのSKYACTIV技術を全面的に採用した新世代商品群の第1弾であり、2017年2月にフルモデルチェンジを受けて2世代目となったばかり。それからわずか1年余りでの商品改良は、どのような進化をもたらしたのか。
ガソリン新エンジンに気筒休止システム
目玉はエンジンであり、1つは新技術を採用した2.5リッターのガソリンエンジンで、もう1つは先に「CX-8」で採用された2.2リッターの進化版クリーンディーゼルターボエンジンの搭載である。
2.5リッターのガソリン新エンジンは、北米仕様の「アテンザ」(4ドアセダン)ですでに販売実績のある「気筒休止システム」を採用している。直列4気筒エンジンのうち2気筒を軽負荷での運転中に休止させ、燃費向上を図る技術だ。
さっそく試乗をしてみると、走行中、いつ4気筒と2気筒が切り替わったのか、全く気付かなかった。軽負荷という運転状態は、アクセルペダルをほとんど踏み込まずに、安定した速度で走っている状況であり、例えば高速道路など、専用自動車道での巡行走行時に気筒休止の効果を期待できる。
マツダでは、今回の試乗コースの一部で実走行試験を自ら行い、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」(全車速追従機能付)を使って時速90キロを維持しながら走った結果として、気筒休止の無いエンジンを搭載したCX-5と比べ、4.6%の燃費向上の成果があったと紹介した。
マツダは「たとえ0.1km/Lでも改善代があれば進化を止めない」と、その意義を語る。気候変動による異常気象が現実となっている今日、エンジンの燃費を日々改善していこうとする姿勢がそこにある。