TOYOTA GAZOO Racingは5日、2018年から2019年にかけて開催予定のFIA世界耐久選手権(WEC)スーパーシーズンに参戦すると発表した。同シリーズには、先端ハイブリッド車両である「TS050 HYBRID」で挑むとのこと。今シーズンの「TS050 HYBRID」は、最大1,000馬力を誇るハイブリッド・パワートレーンの信頼性の向上と、更なる燃料規制に挑戦すべく改良されているが、それ以外の部分は3連勝でシーズンを締めくくった2017年仕様と大きな変化はない。

  • 「TS050 HYBRID」

「TS050 HYBRID」は、WEC参戦と共に効率と性能の大きな進化を遂げており、昨年型の「TS050 HYBRID」は、2012年のトヨタのハイブリッドレースカーデビュー時と比較して35%の燃料削減を達成しながらも、ル・マン史上最速のラップタイムをマークした。これは、非常に高い熱効率を実現したエンジンやハイブリッドシステムなど、レースの現場で培われた技術によって達成されたもの。

ブレーキング時に発生する熱エネルギーを、前後輪に搭載されたモーター / ジェネレーターによって回収し、電力として再利用する(キネティック)エネルギー回生も、WEC参戦によって進歩した重要な基幹技術。この回収されたエネルギーによって、パフォーマンスが向上し、燃費向上にもつながっている。

  • 「GRスーパースポーツコンセプト」

TOYOTA GAZOO Racingは、レースの現場という極限の条件下で、ハイブリッド・パワートレーンの更なる効率と性能を追求し、トヨタの「もっといいクルマづくり」というミッションに貢献している。このミッションは、今年初めに発表された「GRスーパースポーツコンセプト」で一つの具現化を見せた。同コンセプトカーは、WEC参戦によって培われた最先端テクノロジーを受け継ぎ、多くの部品を「TS050 HYBRID」から流用。ハイブリッドシステムと高性能希薄燃焼エンジンによって、低燃費でありながら1000馬力の最大出力を生み出し、その開発車は既に実走行テストをこなしている。

新たなシーズンを迎えたTOYOTA GAZOO Racingにとっての目標は、WECのチャンピオン争いと共に、何度も阻まれてきたル・マン24時間レースで勝利を勝ち取ること。今シーズンは、5月5日に決勝が行われるベルギーのスパ・フランコルシャンで幕を開け、2019年6月15〜16日のル・マン24時間レースでシーズンを終えることになる。