高級料理のイメージがある鉄板焼き。会社のみんなと大勢で楽しむとなると、ちょっと予算オーバーかも……なんてこともある。そんなときに重宝しそうなお店が、今年2月に蒲田にオープンした「鉄板焼と酒 ささや」(東京・大田区)。

  • 風格漂う佇まいだが気軽に入れる親しみ安さもある店構え

鉄板焼きを中心とした料理とお酒が気軽に楽しめて、しかもリーズナブル。さらに仕事仲間との距離も一気に縮められそうなエンタメ要素も満載だというから、これはもう行ってみるしかない!

本店は創業明治9年の老舗

JR京浜東北線蒲田駅東口を出て徒歩3分。大通りから1本路地に入ると大きな暖簾に「さゝや」と出ているのですぐにわかるはず。実はこの屋号、とても歴史があるもので、オーナーは明治から続く飲食店「さゝや」の9代目。時代を経て業態が様々な形に変化してきた中、2008年11月に市ヶ谷に「明治創業 鉄板と酒 ささや」をオープン。

さらに気軽に鉄板焼き料理を食べられるお店として、2018年2月20日に「鉄板焼と酒 ささや」を開いた。B級グルメも含め、鉄板焼きを使った全国の美味しい料理が用意されているのが特徴だ。

30秒間、肉がのせ放題の名物メニュー

カジュアルなB級グルメ的メニューとは対照的なのが、大麦牛を使った肉料理。ひときわ目を惹くのが「1組1回限定! 【肉のせ放題】『肉がモリモリ』」(小:税別1,490円 大:税別3,780円)。カットした大麦牛を、店員さんのカウントする30秒間、皿に乗せられるだけ乗せて、獲得した肉は鉄板焼きでガーリックバターしょうゆ味で調理されて食べることができるというもの。

  • 豊富なメニューの中でも一際目立つ「肉乗せ放題」。そりゃ頼みたくなるよ

そう聞いたら、肉をモリモリ食べることに関してだけは他の記者の追随を許さない筆者としては挑まざるを得ない。早速チャレンジ開始だ!

挑戦したのは、「肉のせ放題(小)」。テーブルには大盃の上に四角い皿、その上に白い石皿がセッティングされた。そして、サイコロ状にカットされ升に入った大麦牛の赤身肉。こんなにたくさんの肉がすべてワイのものになるなんて。そんな夢を見ている私に、店長さんからルール説明が。

  • スタンバイ完了。俺は肉乗せ王になる!緊張するぜ……

「基本的に、チャレンジの方法は立っても座っても自由です。このお肉をひたすら皿の上に乗せていくというシンプルな30秒1本勝負でございます」。髭を蓄えちょっといかつそうに見えた店長さんからの、まるで執事のようなやけに優しく懇切丁寧な説明に、逆に緊張感が高まってきた。

これ、1組1回だけのチャレンジだから、会社の飲み会で来たときにこの大役を指名されたら大変だ。周囲の視線を集める中、肉を乗せていくという重大な任務。しかも腹ペコな上司がいようものならなおさら大変だ。取引先へのプレゼン以上のプレッシャーを感じること間違いなし。かくいう私も、長めの菜箸を握る手が汗ばんできた。

さらにルール説明を続ける髭店長さん。「下の器にこぼれたものは対象外です。万が一、大盃から落ちてしまった場合は途中であってもゲームオーバーになってしまいますのでお気を付けください。また、器を持ち上げるのはNGです」。

なるほど。あくまでも食べるためのチャレンジであることを忘れそうになっていた。丁寧にお肉を扱わねば。ありがとう、髭店長。正気を取り戻した私を、店内BGMで流れる安室ちゃんの「SWEET 19 BLUES」が応援してくれている。そう、19歳のようにガムシャラに私は挑むのだ、肉に!

  • 持ち上げた瞬間に、肉質の良さがわかるから、マジで

そんな私に店長から最後のプレッシャーが。「記念すべき17,862回目のチャレンジャーです。用意、スタート!」そ、そんなにやってんのかよ!? そう思う間もなく、肉をつかみ皿に乗せていく私。この肉、けっこうがっしりして重量感が半端ない! 箸で持っただけなのに間違いなく美味しいであろうことがわかった。座ってスタートした私はすぐに立ち上がってしまうくらいにエキサイト。

  • 震える手でまずはひと乗せ。安心している暇はない。「時は肉なり」なのだ

ああ、1つずつ乗せていくと結構時間がかかる。生真面目な自分の性格が災いしたのか、せっせと乗せているうちにあっという間にタイムアップ。結果、「134グラム」。ハア~集中して疲れた。この結果、どんなもんすかね店長さん? わりとやれた方なんじゃないですか? 「いやまあ、"THE・平均"ですね」。ミスター凡人である己を思い知った瞬間だった。

しかし、これで十分元は取れているというから良かった。ちなみに、現在のところの「小」のチャンピオンは「398グラム」だというから驚異的。家にこのシステムを置いていないとおかしいだろ、それ。すげえ~! ともかく、会社のみんなでワイワイと楽しめるので是非チャレンジしてみるべし。上手く乗せるコツがあるようだが、それは実際にその目で確かめてほしい。