このクルマは売れるのではないだろうか。そう思わせる新型車がボルボから登場する。人気のSUVセグメントにデビューする「XC40」だ。同社のSUVラインアップで最も小さく最も安い「XC40」が狙うのは、「ヤング・アット・ハート」な顧客の獲得だという。

  • ボルボ「XC40」

    「2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤー」受賞という経歴を引っさげて日本市場に登場したボルボのコンパクトSUV「XC40」

ボルボのSUVラインアップを完成させるクルマ

「XC40」はボルボ初となるコンパクトSUV。同社ではサイズの大きい順に「XC90」「XC60」という2種類のSUVを展開しているが、「XC40」の登場でSUVラインアップは完成を見る。

この3台のクルマが、サイズおよび価格の違いでヒエラルキー型の垂直なラインアップを形成するのではなく、デザインや乗り味などを含め各車が異なるテイストを持ち、水平方向にも広がりを見せる展開になっているのが同社SUVの特徴とボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長は語る。「XC90」が重厚でフォーマルなクルマだとすれば、「XC40」は軽快でカジュアルなところを持ち味とする。

  • ボルボのSUVラインアップ

    ボルボのSUVラインアップは、価格とサイズの違いによる単純な垂直展開ではないと木村社長は語った

そんな「XC40」がターゲットとする顧客とはどんな人たちだろうか。「ヤング・アット・ハート(young at heart)、そういう人であれば、皆さんに満足してもらえるクルマに仕上がった」。木村社長はこんな風に表現する。クルマに何を求めるかの話だが、若々しさを大事にする人に訴求したいのが「XC40」ということだろう。

  • ボルボ「XC40」

    “安全”というイメージが強いボルボだが、日本ではグレードを問わず、全ての車両に全ての安全装備を標準装備としているのも特徴だ。ボルボ初の装備としては、駐車スペースから後退して(後ろ向きで)発進する際、接近するクルマをレーダーで検知し、必要に応じて自動ブレーキを作動させる機能も搭載した

新規顧客で3分の2が目標

木村社長に聞いた話から、もう少しターゲットとなる顧客像を絞り込んでいくと、住んでいるのはどちらかというと「都会」で、年齢層としては、ボルボ全体の中央値が51歳くらいだが「XC40」では「もっと広く分布するイメージ」だという。具体的には30代にも、クルマのダウンサイズを望む「エンプティネスター」(子供が独立した人たちのこと)からも支持されるのではないかというのが木村社長の読みだ。

  • ボルボ「XC40」

    ボルボはクルマの電動化に対して積極的な姿勢を示す自動車メーカーだが、その方向性で「XC40」をシンボリックなモデルにしたいというのが木村社長の考え。ハイブリッドや電気自動車(ピュアEV)なども「できるだけ早く導入したい」とのことだった

変えたいのは女性比率で、「今はブランド全体で15~20%だが、このクルマでは25%くらいを狙いたい」と木村社長は語る。ボルボオーナーによる買い替えと他ブランドからの新規流入の割合については、普通であれば半々くらいだが、「XC40」では3分の2程度を新規顧客とし、ボルボファンを増やしたいとする。