京都鉄道博物館は山陽新幹線での「500 TYPE EVA」車両の運行終了を前に、本館2階企画展示室にて「500 TYPE EVA」展を開催している。2月24日から「500 TYPE EVA」仕様のラッピングを施した新幹線500系(500系521形1号車)の展示もスタートした。

  • 京都鉄道博物館の500系に「500 TYPE EVA」仕様のラッピングが施された

本館1階「車両のしくみ」エリアに入ると、目の前に「500 TYPE EVA」仕様の新幹線500系が姿を現す。真正面よりも側面から見たほうがインパクトが強く、紫色をベースに黄緑色と赤色の装飾がよく目立つ。500系の独特のフォルムとも相まって、より未来感のあるデザインとなっていた。「500 TYPE EVA」の実車の外装を忠実に再現しており、ドア部に特務機関「NERV」のシールも。なお、展示された500系の内装に変更はない。

ところで、「500 TYPE EVA」の素案では赤色の装飾がなかったそうだが、「エヴァンゲリオン」シリーズの原作・総監督で「500 TYPE EVA」を監修した庵野秀明氏の希望により加えられたという。「500 TYPE EVA」を鑑賞する際、それぞれの色の使い方やバランスに注目するといいかもしれない。

  • 「500 TYPE EVA」仕様となった500系(500系521形1号車)の外観

「500 TYPE EVA」仕様のラッピングを施す作業は2月22・23日の2日間にわたって行われた。京都鉄道博物館の職員によると、ラッピング作業において最も苦労したのは運転台の上部だという。円柱から円すいに変化する部分にあたり、シールの面積計算が大変だったそうだ。独特の形状を持つ500系ならではの苦労といえる。

「500 TYPE EVA展」も開催中、注目は

本館2階企画展示室で開催中の特別展「500 TYPE EVA展」も訪れた。今回の特別展では、2015年から行われてきた「500 TYPE EVA プロジェクト」を中心に紹介。「エヴァンゲリオン」のアニメを見たことがない人でも十分に楽しめる内容となっている。

筆者が注目したのは、企画展示室に響き渡る「500 TYPE EVA」の車内放送だ。「500 TYPE EVA」の車内放送は渚カヲル(声 : 石田彰)が担当しており、いつもの車内放送が新鮮に聞こえる。実車以外では京都鉄道博物館でしか聞けないだけに、ぜひ耳を傾けてほしい。「500 TYPE EVA」のデザインが決まるまでのプロセスを紹介したコーナーも興味深かった。

  • 特別展「500 TYPE EVA展」も開催中。アニメのメインキャラクターは5人だが、特別展の最後のコーナーに登場するのは4人のみ。残る1人は「500 TYPE EVA」に乗車している設定だという

特別展「500 TYPE EVA展」は5月6日まで、「500 TYPE EVA」仕様にラッピングされた500系の展示は5月7日まで行われる。3月17日から5月7日まで、本館2階「鉄道ジオラマ」にて、実物車両の約1/80スケールの「500 TYPE EVA」も走行する予定だ。山陽新幹線で活躍した「500 TYPE EVA」車両は5月13日をもって運行終了となる。