俳優の中村俊介が、フジテレビ系ミステリードラマSP『浅見光彦シリーズ53 浅見光彦殺人事件』(3月29日20:00~21:54)で、浅見光彦役の最後の主演になることが22日、明らかになった。

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    中村俊介=フジテレビ提供

ルポライターの浅見光彦(中村俊介)が難事件を解決する同シリーズ。第53弾は、原作ファンの中で映像化は難しいともうわさされていた『浅見光彦殺人事件』で、シリーズ第15弾『金沢殺人事件』から39作品・全40本(内田康夫作家30周年記念として2011年5月に、シリーズ第40弾『棄霊島』が2夜連続で放送)で浅見光彦を演じてきた、中村最後の主演となる。

中村は「あっという間に時が流れたという感じですね。27歳で始めたのですが、今、43歳になりました。ということは16年間、浅見光彦を演じていたことになります。初代の榎木孝明さんが46歳までやられていたので、自分はいつまでできるのかなと思っていましたが、正直こんなに長くやらせていただけるとは思っていませんでした」と感想。「浅見光彦は自分にとっては役柄というより、糧のようなものですので、これがなくなるのかと思うと正直、寂しく感じますね」と心境を吐露した。

自身にとって、浅見光彦とは「単なる"役"ではなかったですね。1つの作品、役柄を16年も演じ続けられるというのはそうそう経験できることではないですし、これから先あるとは思えないです。ある意味、自分の分身であり、ひと言で言い表せない大事な存在でしたね」という。

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今作は、ヒロイン・寺沢詩織(上原多香子)の父(遠山俊也)が、広島の出張先で「思い出のトランプの本」の謎が解けたと電話してきた後、非業の死を遂げ、詩織の元恋人までもが九州・柳川で「思い出のトランプの本」の謎を解く鍵を見つけたと詩織に手紙を出した後に殺される…というストーリー。

同シリーズで光彦の母・雪江を演じてきた野際陽子の実の娘である真瀬樹里がヒロイン・詩織の伯母役として出演する。野際さんは、番組収録をまじかに控えた昨年17年6月に死去したことから、過去の出演映像を編集して、野際さんも登場する。映像の中だけだが、野際さんと真瀬の親子共演となる。

野際さんの思い出について、中村は「とてもチャーミングな方でした」と述懐。「最後の作品は絶対にご一緒したかったので、それがかなわなかったことが本当に心残りです。あのお母さんの存在がなければ、光彦は存在しなかったと思うのです。光彦がこれだけの難事件を解決するきっかけになっていたのがお母さんですから。浅見家でのお母さんとのやり取りが事件解決の糸口になっていたことを考えると、今回そういったシーンが描けなかったのは本当に残念でした」と惜しんだ。

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