フェラーリ・ジャパンは2月19日、「カリフォルニアT」の後継となる新型オープンスポーツカー「フェラーリ ポルトフィーノ」のジャパンプレミアを行った。

  • 「フェラーリ ポルトフィーノ」(税込2,530万円~)

GTの世界を広げる新型フェラーリ

2017年9月のフランクフルト国際モーターショーにて正式にデビューした同車両は、ラグジュアリー性、多用途性、快適な乗り心地のすべてを叶え、新境地を開く新型GTと評されている。

  • 車体寸法は、全長4,586×全幅1,938×全高1,318mm。乾燥重量は1,545kg(特定オプション装備車)。前後の重量配分は46:54となっている

スタイリングは、シルエットの滑らかさを追求したファストバック・クーペと、格納式のハードトップを備えたエレガントなスパイダー、2つのボディタイプを1台で実現。そのほかにも様々なアドバンテージを備えた、フェラーリ史上最もパワフルなコンバーチブルとなっている。

  • 美しいビジュアルと優れた空力特性を兼ね備えたボディ

エクステリアの中でも、特に目を引くのがボディ側面のデザイン。ボリュームのあるリアフェンダーに向かって描かれた滑らかなフォルムは、光の当たり具合による重量感の分散まで計算されているという。

  • スポイラー幅も広く取ることで、ドラッグを低減

左右のテールランプの取り付け位置も、「カリフォルニアT」との違いを強調するポイントと言える。テールランプをトランクリッドに内包せず、左右離れたポジションに置くことで車体はより低くワイドな印象に。ひとつのライトに機能を集約させた2灯式により、重量の軽減も実現している。

  • ルーフが閉じられた状態からフルオープンまでわずか14秒

格納式のハードトップは、低速であれば走行中でも稼働させることが可能になっている。急な天気の変化に見舞われても、わずか14秒でベルリネッタからオープントップ・スパイダーへ姿を変えるというのは非常に心強い。

また、同車両は「カリフォルニアT」と比べ、80kgの大幅な軽量化に成功している。ボディシェルおよびシャシーは徹底的に見直しが図られ、中空コンポーネントを鋳造できる最新の製造技術を導入。軽量かつ革新的なフォルムの一体成型コンポーネントは、剛性も35%強化されている。

パワートレインも「カリフォルニアT」超え

同車両には、3,855ccのV8ターボエンジンが搭載される。最高出力は「カリフォルニアT」より40psアップの600ps。最大トルクは5Nm向上し、760Nmを発揮する。0-100km/h加速は3.5秒、最高速度は320km/hに達し、フェラーリの名に恥じないパフォーマンスを見せてくれる。

  • 1秒未満の迅速なスロットルレスポンスも健在

高強度アルミ合金ピストンや革新的な形状のコンロッド、特殊成型のハイタンブル・インテークマニフォルドなど最新の技術を盛り込み、極めて高い機械効率を確保した同エンジン。フェラーリが誇るゼロターボラグの伝統も継承しながら、ギアごとにトルクの伝達量を調整するバリアブル・ブースト・マネジメントも搭載し、加速と燃費性能も向上している。

また、同モデルでは初搭載となる第3世代の電子リアディファレンシャル「E-Diff3」と電動パワーステアリング、最新版の電子サスペンション制御システム「SCM-E」の働きにより、ステアリングレスポンスも改善しているという。

  • 18通りに調節可能な電動シートにより、長距離でも快適なドライブを楽しめる

インテリアに関しても、さまざまなアップデートが図られている。シート構造を見直しマグネシウム合金を採用することで、ここでも軽量化を実現。ルーフオープン時でも快適性を損なわない新エアコンシステムは、よりコンパクトに改良された。また、シート背面にも新たなデザインを取り入れ、後部座席のスペースも「カリフォルニアT」より拡大されている。

  • ジャパンプレミアに出席したフェラーリ極東・中東エリア統括 CEOのディーター・クネヒテル氏(左)、フェラーリ・ジャパン&コリア 代表取締役社長のリノ・デパオリ氏(右)

ジャパンプレミアの場に登壇したフェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒテル氏いわく、“一切妥協のないクルマ”である同車両。フェラーリの並外れたパフォーマンスはそのままに、多用途性と快適な乗り心地という新たなアドバンテージを備えたことで、新たな顧客にどこまでアピールできるかが見ものである。