顔や外見はいずれ慣れる

――伊藤さんはどういうタイプのヒーローが憧れなんですか?

子供から好かれて、子供が集まってくる大人は、ヒーローっぽいなと思いますし、僕はそういうヒーローに憧れます。今、子供がいるので、やっぱり「パパ、かっこいいな」と思われたいです。34歳が思うヒーロー像ですね。

――かっこいい、プラス優しさみたいな像は、伊藤さんから出ている雰囲気にもすごく合っていますよね。

これを言うと負け惜しみみたいに聞こえちゃうかもしれませんが、夫婦でも、恋人同士でも、友情関係でも、顔や外見はいずれ慣れてきますけど、いつまで経っても人の気持ちを掴めるのは、"心"でしかない。見た目のヒーローじゃなくて、見えない部分のヒーローが理想です。

――すごい、名言です!

負け惜しみですよ、負け惜しみ!(笑)これも持って生まれた個性だと思って。楽しいのが一番です。

優しい人が多い現場

――今回の現場はすごく和気藹々とした雰囲気が伝わってきますが、生駒さんの印象はいかがですか?

テレビで乃木坂46を観ると、アイドルでキラキラしていて、本当にかわいいし、同じ芸能界でもちょっと距離を感じるところがあったのですが、実際はそういう距離が一切ありませんでした。なんなら、ちょっと地味というくらいなんですよ。それが最高だなって、思いますね。明るいんですけど「私、アイドルです!」みたいな感じが全くない。だから乃木坂で活動しているときのあのキラキラ感は本当にすごいです。「お芝居は勉強だ」と言っていましたけど、隣にいてもすごく一生懸命なところが感じられるので、「生駒ちゃん、いいな」と思います。

すごいなと思ったのは、秘密クラブのシーンで、エキストラのコスプレの方とたくさんおしゃべりしていたこと。僕はこう見えても意外とシャイなんですけど、生駒ちゃんは「友達になったんです」と言っていて、そういう壁がないところが、魅力的ですよね。

――生駒さんが勉強中ということでしたが、演技について何かアドバイスをされたりしましたか?

僕は、教えるようなことは全然ないですね。でもあんまり現場の経験がないと、間違えた時に本当に「ごめんなさい」と恐縮しちゃうから、「全然、申し訳ないと思わなくていいよ」とは言いました。

――主役の方がそういう風に言ってくださったら、すごく心が楽になりそうですね。

「お前、間違ったな」という圧をかけられるよりは、「いいよいいよ、みんな間違えるんだから」と言われた方がいいですよね。僕も、たくさん経験しましたから。大御所の役者さんとお芝居する時や、他の人の長台詞の合間に1~2行のセリフがあったときの「あ、来る来る、俺のセリフが来る」という緊張感って、ヤバいんですよ。心臓が飛び出そうなほどで、基本的にはプラスに働かないというか。そういう感情がない方が、いいお芝居ができるに決まっているので、それだけは言わせてもらいました。

――緊張やプレッシャーで、逆に失敗しちゃうこともありそうですよね。

絶対あります。本気でやっていて間違っちゃう時は、気にしないでほしいです。斉木さんも、超大御所なんですけど、本当に気さくに話しかけて来てくれるし、面白いNGを出してくれて、現場がドカーンって盛り上がるんです。いつも笑顔で、身体張って現場にいてくださるので、それはもう僕たちもそれに甘えちゃってます。寺脇さんも、僕にも色んなスタッフさんにも声をかけてくれて、もう最高のキャストだと思います。

――伊藤さんの憧れのヒーロー像を体現する先輩方がいらっしゃる感じでしょうか。

大御所なのに壁もなく、誰にでも優しく人に気を使ってくれて、本当にヒーローっぽいですよね。そういう方たちがいっぱい現場にいて、毎日すごく楽しいです。

■伊藤淳史

1983年11月25日生まれ、千葉県出身。子役として様々な作品に出演し、フジテレビ系バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』内の「仮面ノリダー」でチビノリダー役として知名度を上げる。映画『鉄塔 武蔵野線』(97)で初主演、主演映画『独立少年合唱団』(00)が、ベルリン国際映画祭のアルフレート・バウアー賞を受賞したほか、数々の賞を受賞。2015年公開の『映画 ビリギャル』での演技により、第39回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いている。ほか、ドラマ『電車男』(05)、『チーム・バチスタの栄光』シリーズ(08~14)など、様々な作品で主演・助演問わず活躍している。

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