ランボルギーニがSUVを発売する。かねてから流れていた噂が真実になった。2月6日、「ウルス」(URUS)と名づけられたSUVが東京で発表されたのだ。スーパーカーのランボルギーニがなぜSUVなのか。中身はランボルギーニにふさわしいのか。改めて考えてみた。

  • ランボルギーニ「ウルス」発表会の画像

    2月6日に六本木の泉ガーデンギャラリーで開催された「ウルス」発表会の様子。クルマに手を置いているのは来日したランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEO

「ウルス」登場にポルシェの影響?

1963年に自動車メーカーとして産声を上げたランボルギーニは当初、V型12気筒エンジンを車体の前に積み、後輪を駆動するラグジュアリークーペも作っていた。しかし、同じエンジンをミッドシップ搭載したスーパーカー「ミウラ」や「カウンタック」が高い評価を得ると、以降発表した車種の多くがミッドシップ2人乗りのスーパーカーになった。

現在販売されているV型10気筒の「ウラカン」、そしてV12の「アヴェンタドール」も同様である。

  • ランボルギーニ「カウンタック」の画像

    ランボルギーニといえば、「カウンタック」(画像)などのスーパーカーを作るメーカーというイメージだが…(ランボルギーニ・デイ 2017にて編集部撮影)

そのランボルギーニがなぜ、SUVを出したのか。ランボルギーニと同じフォルクスワーゲン・グループに属するポルシェの成功に影響されたことは否定できないだろう。

ベントレー、マセラティ、ジャガーからも登場したSUV

2002年にポルシェ初のSUVである「カイエン」が発表されるまで、このブランドは2ドアのスポーツカーだけを作り続けてきた。代表格が1964年以来の歴史を誇るリアエンジンの「911」だ。

しかし、ポルシェが発表した2017年の全世界での販売台数によると、トータルで約24.6万台を販売した中で、「718ケイマン」および「718ボクスター」が2.5万台、「911」が3.2万台、「パナメーラ」が2.8万台、「マカン」が9.7万台以上と発表されている。残りがカイエンとなるので、その台数は6.4万台となる。

  • ポルシェ「マカン」の画像

    ポルシェの売れ筋となっているSUV「マカン」

つまり、SUVのカイエンとマカンを足すと16.1万台であり、全体の65%にも上る。いまや、ポルシェの主力はSUVなのである。逆に、911と718を合わせたスポーツカーは23%に過ぎないことになる。

これ以外にも、やはりフォルクスワーゲン・グループのベントレー、ランボルギーニと同じイタリアのマセラティ、英国のジャガーなどが、ここ10年の間に初めてSUVを発売し、いずれも好調な販売成績をあげている。

それだけではない。SUVには縁がないだろうと見られていた英国の超高級車ロールス・ロイスと、スポーツカーの代表格であるフェラーリもSUVを送り出そうとしている。