英語が苦手な親でも積極的に英語を話そう

――毎日やらないと忘れてしまうということでしたが、英語が苦手な親が家庭で英語学習をサポートするのは大変な気がします

英語が得意か苦手かよりも、一緒に伴走するという姿勢が大切です。たとえへたくそだったとしても、毎日親が英語の絵本の読み聞かせをしてくれたら、子どもは「うまく話せなくても、英語は声に出すことが大事なんだ」ということを学べます。

日本人の英語が通じない理由って何だと思いますか? 私は「発音が悪いから」ではなく「声が小さいから」だと思っています。"英語は声を出さず静かに勉強するもの"という誤解を与えないためにも、下手でも読み聞かせをした方がいいと思います。

  • 読み聞かせで"英語は声に出すことが大事"という姿勢を見せよう

英語学習を目的にしないで

――子どもが英語を習い始めるきっかけはさまざまだと思うのですが、どのようなことを大切にしてほしいですか?

英語学習のスタートは、今からでも遅すぎないし、今からでも早すぎません。子どもが興味を示したり、親が始めたいと思ったりしたときが、始めどきです。

ただ小学校低学年までは特に、試験対策ではなく、音声やコミュニケーションを大事にした英語学習をしてほしいです。

たしかに成果の検証をするのは大事なのですが、ペーパー試験の勉強ばかりだと、音声ベースの英語学習がおろそかになってしまいますし、英語嫌いになりかねません。小さい子が受けられるような英語の資格試験でも、リスニングだけでなくスピーキングの能力も測定できるものはいくつかありますから、そうしたテストの利用を検討してみるのもいいでしょう。

英語を学ぶ理由が分かっている子どもは強いです。ディズニー映画でも、海外旅行でも、海外の友だちと文通するといったことでも何でもいいんですが、"英語を学びたい"と思うきっかけを与えることも、親の役割ではないでしょうか。英語を学ぶことが目的ではなくて、英語が何かをするための"手段"になったら、長続きしますし、きっと楽しいはずです。

そんな風に英語を学んでいけば、言葉に対する感度も高まっていって、国語力も上がるというのが私の持論です。正しく学ぶことができれば、外国語学習の機会が、子どもの知力やIQを高めるということも明らかになってきています。子どもたちには英語学習を通して、世界で通用するような本物の知性を身につけてほしいと思います。

※画像はイメージ

『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社/税別1,500円)


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