暖房を本格的に使用するシーズンは、部屋の乾燥が気になるもの。そんな時期に併用したいのが加湿器ですが、どんなものを選べばよいのでしょうか? 今回は加湿器の基本的なタイプや暮らしに合わせた選び方について、「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」の益永みずきさんにお話を伺いました。

加湿器のタイプはどんなものがあるのでしょうか?

「加湿器には『スチーム式』、『気化式』、『超音波式』の3タイプに加えて、『スチーム式』と『気化式』を組み合わせた『ハイブリッド式』があります。スチーム式はタンクの水を加熱してお部屋の空気を加湿するものです。急速に加湿でき、加湿に使う水を殺菌できるというメリットがありますが、加湿できる範囲が狭かったり、電気代が高いというデメリットもあります。

気化式はフィルターで吸い上げた水を自然に蒸発させることで、お部屋を加湿するものです。加湿できる範囲が広く、電気代も安いというメリットがありますが、加湿するスピードが遅い、フィルターの手入れが大変というデメリットがあります。超音波式は超音波によって水を霧状にし、それで室内を加湿するものです。機器のデザイン製が高いことや値段が安いのがメリットですが、加湿器周辺を湿らせてしまう場合があること、加湿能力はそれほど高くないことがデメリットです」

どの加湿器も、一長一短があるのですね。

「そのため、使用方法に合わせた加湿器選びが大切です。例えば仕事場のデスク上などの狭い範囲を加湿するだけであれば、超音波式でもよいでしょう。一方、ベッドサイドなどに置く場合、超音波式だと寝具を湿らせてしまう可能性があります。そんな場合は気化式がおすすめです。また日中は外で仕事をしており、朝晩の短時間だけ加湿すればよい方は、スチーム式を選べばすぐに加湿できます。また短時間のため、電気代がかかる心配もありません」

ハイブリッド式はどのようなものですか?

「スチーム式と気化式を組み合わせているため、加湿速度は気化式より早く、電気代はスチーム式ほどかかりません。双方のいいとこ取りをしたタイプです。それから最近は『空気清浄機』と『加湿器』を組み合わせた製品も出ています。一人暮らしで部屋が狭い場合、冬の間しか使わない加湿器を空気清浄機と別に買うよりも、花粉の時期を含めて一年中使える機器を選んだ方がスペースの節約になるかもしれません」

また加湿器を選ぶときは「お手入れ方法」を確認しましょう、というアドバイスもいただきました。特に気化式の場合、定期的にフィルターを洗浄しないとカビが発生し、それを部屋にまき散らしてしまう可能性もあるそうです。購入時にお手入れ方法を販売員の方に確認し、「これなら自分でもできそうだ」という製品を選ぶのがおすすめとのこと。今回の記事を、ぜひ参考にして乾燥する冬を乗り切ってくださいね。

《取材協力》
益永みずきさん
ビックロ ビックカメラ新宿東口店で、加湿器の販売を担当。
ビックカメラ 公式サイト https://www.biccamera.com