小田急電鉄は5日、特急ロマンスカーの新型車両70000形「GSE」の披露会を実施した。愛称の「GSE」は、開発コンセプト「箱根につづく時間(とき)を 優雅に走るロマンスカー」をもとに、優雅さを表す「Graceful」を用いた「Graceful Super Express」を略したという。新型車両70000形「GSE」は2018年3月中旬のデビューを予定している。

  • 小田急電鉄が特急ロマンスカーの新型車両70000形「GSE」をお披露目

この日の披露会では、新型車両70000形「GSE」の愛称発表と概要説明、特急ロマンスカー専用の新制服(2018年3月ダイヤ改正に合わせて使用開始)の披露に続き、小田急大野総合車両所にて実車がお披露目され、車両外観と1・2号車の車内が公開された。

新型車両70000形「GSE」は7両固定編成、1両20mのボギー車で、車体は薔薇(バラ)の色を基調とした「ローズバーミリオン」、屋根部は深い赤色「ルージュボルドー」を採用している。車体側面の窓下には、特急ロマンスカーの伝統カラー「バーミリオンオレンジ」の帯をあしらった。先頭車(1・7号車)の窓に大型の一枚ガラスを採用。車体側面の窓も既存車両(VSE・MSE)より30cm高い100cmとし、繋ぎ目を極力少なくした連続窓とすることで、流れ行く沿線の風景を存分に楽しめるようにしている。

  • 新型車両70000形は「ローズバーミリオン」の車体が特徴

  • 車内の座席は横4列(2列+2列)の配置に。展望席は開放的な空間でダイナミックな眺望を楽しめる

  • 各座席にコンセントが設置され、ドリンクホルダーの形状も工夫されている。座席の下のスペースにキャリーバッグを置くことも可能

1編成あたりの定員は400名。全席指定で、先頭車の1・7号車がそれぞれ56席、2・6号車がそれぞれ60席、3・5号車がそれぞれ64席、4号車が40席(うち車いす対応席2席)となっている。各座席の肘掛部にコンセントを設置し、座席の下には国内線機内持込みサイズ(55cm×40cm×25cm以内)の荷物を収納できるスペースも。4号車を除く各車両の出入口デッキ部付近にラゲージスペースも設置した。車内無料Wi-Fiシステムを整備し、インターネット接続環境の提供に加え、展望ライブ映像などを楽しめるコンテンツ配信も行う。

展望席は1・7号車の先頭部に16席ずつ設置された。座席の位置をはじめ、展望席のガラスの取付け角度や両側の支柱の位置・形状も工夫され、前方の眺望を格段に向上させている。座席上の荷棚をなくすことで、展望車両としてダイナミックな眺望と開放的な空間を創出したという。

新型車両70000形「GSE」は2編成(計14両)導入予定としており、1編成目は各種試験や乗務員の習熟訓練などを経て2018年3月中旬に就役する。残り1編成は2018年度以降に運転開始予定。「GSE」の営業運転に関して、箱根方面への観光用として新宿~箱根湯本間(特急「スーパーはこね」「はこね」)で土休日3~4往復、平日2~3往復を運行予定とする一方、通勤用の特急「モーニングウェイ号」「ホームウェイ号」でも運行するとのこと。

  • 新型車両70000形「GSE」の車内・外観