JR四国は2日、特急形気動車の新型車両2600系の出発式を開催した。同車両は高松駅11時7分発・徳島駅12時13分着の特急「うずしお9号」で定期列車としての営業運転を開始。これに合わせ、高松駅と徳島駅で出発式を開催することが発表されていた。

  • JR四国の新型車両2600系。特急「うずしお」で定期列車としての営業運転を開始した

新型車両2600系は既存の特急形気動車の老朽取替を目的に新製され、今年初めに計4両(2両編成×2編成)が完成。これまでに走行試験を実施したほか、8月11日に営業運転1番列車として高徳線高松~徳島間で貸切運転を行い、8月12~15日には臨時列車「阿波踊り1・2号」で営業運転も行った。定期列車としての営業運転も、おもに高徳線で運行される特急「うずしお」でデビューすることが決まった。

営業運転開始日の12月2日、新型車両2600系は10時45分頃、2両編成で高松駅3番線ホームに入線。出発式ではJR四国の代表取締役専務(鉄道事業本部長)、西牧世博氏が挨拶し、新型車両2600系について「デザインコンセプトは『ネオジャポニズム』。日本の伝統意匠を現代風にアレンジしています。外観は四国の豊かな青と緑に映えるように、ディープレッドを基調としたカラーリングとし、吉兆の伝統配色である赤と金色で彩りました。インテリアも和をモチーフとした装飾で、伝統と先進性を強調したデザインとしています。各座席にコンセントを設置し、パソコンを使用できるようにテーブルを大型化しました。ぜひ末永くご利用していただけるようお願いしたい」と述べた。

出発式では国土交通省四国運輸局および香川県の関係者らも出席。四国への訪日外国人旅行者の増加を受け、「新車両に導入された行先等の英語表記、英語の車内アナウンス、荷物棚の大型化など、訪日外国人旅行者の取り込みに大きく貢献するものと期待しています」とのコメントもあった。その後はテープカットが行われ、11時7分頃、高松駅長の出発合図とともに新型車両2600系の特急「うずしお9号」は徳島駅へ向けて発車した。

  • 特急「うずしお9号」に使用された車両は「2601」「2651」の2両編成

  • 出発式では特急「うずしお9号」の発車に先立ち、出席者によるテープカットが行われた

  • 高松駅長の出発合図で特急「うずしお9号」が発車。出発式の出席者らが見送った

岡山・高松~徳島間を結ぶ特急「うずしお」のうち、新型車両2600系を使用する列車は下りが「うずしお9・15・21号」、上りが「うずしお14・20・26号」の3本ずつ。ただし車両検査などにより、N2000系・2000系で運転される場合がある。なお、新型車両2600系では車体傾斜に空気バネ方式を採用したが、走行試験の結果、連続する曲線の多い土讃線において空気容量の確保に課題があると判明。今後は2600系をベースに、これまでに実績のある振子方式を採用した特急形気動車を新製するとJR四国が発表している。