JR四国は23日、老朽化したローカル気動車(ディーゼルカー)の置換えとなるハイブリッド式ローカル車両「3600系(量産先行車)」の報道公開を実施した。量産先行車は4両(2両編成×2編成)を導入。2026年6月の営業運転をめざすとしている。
新型車両3600系の製造メーカーは近畿車輛。「Mc2 : 3600番代」(高松方)と「Mc1 : 3650番代」(徳島方)の2両編成で、ステンレス製の車体下部に四国の海と空をイメージしたライトブルーを配色している。車体を縁取るゴールドのラインと側面のストライプは、空から海や川面に降り注ぐ光を表現しており、四国の豊かな自然と澄んだ空気・水を象徴しているという。製造メーカーの近畿車輛は、過去にJR四国の1500型7次車を手がけたことがあり、3600系の車体前面も1500型7次車をほうふつとさせる形状になっている。
3600系の量産先行車は、「SHIKOKU Hybrid Vehicle 3600」の表記と、きらめきの雫をあしらった特別仕様に。降り注ぐ光を強調しつつ、電気モーターで走行するハイブリッド車両の特性を視覚的に表現。環境に寄り添う未来の鉄道を象徴するデザインとした。
国鉄時代に製造された既存の気動車キハ47形は2両編成時の定員252名だったが、3600系は2両編成時の定員272名に増加。車内はロングシートを基本としつつ、トイレを設置していない高松方の車両(Mc2)に一部クロスシート(4人掛けのボックスシート3組)を採用している。
外観と同様、一般席の腰掛モケットも四国の海と空をイメージしたブルーを基調に、光に照らされ煌めく様子を多彩な色で表現した。優先席は色弱者も認識しやすいグリーンを基調に、四国の美しい山々をイメージした配色に。一面に巡らせた植物は、光を受けて成長する木の芽をモチーフとしている。自然の芽吹きを感じさせる柔らかなラインと、幾何学的な整然さを組み合わせ、環境に優しい車両を連想させるデザインに仕上げたという。
床面は温もりを感じさせる木目調、壁面は明るく清潔感のある布目地に、アクセントのグレーブラウンを組み合わせた。有機と無機、明と暗のコントラストにより、ナチュラルな温もりと機能美が融和し、心地良く洗練された車内空間を実現している。座席の袖壁に曲線を取り入れ、直線的な構成の中にやさしさも感じさせるデザインに。客室内に液晶式の情報表示器を取り付け、利用者に向けてわかりやすい情報提供を行う。
3600系の床面高さは1,140mmで、キハ47形(床面高さ1,240mm)と比べて100mm低くなった。バリアフリー整備ガイドラインに対応し、徳島方の車両(Mc1)連結部付近に車いすスペースと車いす対応トイレを設置。安全にも配慮し、車内とトイレに非常通報装置(SOSボタン)と客室用防犯カメラを設けた。JR四国で初という電気式戸閉装置を採用し、ドア挟み時の自動開機能で安全性が向上。消費電力の削減とメンテナンスの軽減を目的に、室内照明をLED化した。
JR四国において新方式となるハイブリッド式(2軸駆動)を採用しており、エンジンで発電した電力と、ブレーキ時など蓄電池に貯めた電力を組み合わせ、モーターを回転させて走行する。駅停車時のアイドリングストップで静粛性が向上。蓄電池に貯めた電力をモーターや駅停車時のサービス機器に使用することで燃費も向上し、CO2削減を図る。気動車特有のギアチェンジがなくなり、乗り心地も向上したという。電車と同じシステムと機器を使用し、メンテナンス時の作業とコストを低減。複雑な構造の機械部品と回転部品がなくなるため、安全性・信頼性tが向上する。3600系にワンマン装置も搭載。エンジンは「450PS×2」(キハ47形は「220PS×2」)、最高運転速度は100km/h(キハ47形は95km/h)とのこと。
ローカル線向け車両としては先進的なハイブリッド式の採用に対し、鉄道ファンや地元利用者らを中心に、早くも期待の声が上がっている。「ローカル線にも最新技術が導入されるのはうれしい」「エンジン音が静かになりそう」「燃費改善や環境負荷低減につながる点に注目したい」といった内容の意見がSNS等で見られ、老朽化した気動車の置換えにとどまらず、地方鉄道の将来像を示す存在として、3600系に関心が集まっている。












