成田国際空港は11月30日、LCC専用の成田空港第3ターミナルの機能強化を目的としたリニューアルを実施すると発表した。到着ロビー増築で出発動線と到着動線を分離するほか、「スマートセキュリティ」や「インラインスクリーニングシステム」を導入する。

  • 到着ロビー増築で出発動線と到着動線を分離する

    到着ロビー増築で出発動線と到着動線を分離する

第3ターミナル2015年4月8日、ローコストでありながら機能性や快適性を備えた施設としてオープンした。陸上競技場を彷彿させる床面の誘導トラックや、座り心地やデザイン性に優れた家具など、斬新で分かりやすい空間は、国内外の利用者からも支持を得ており、SKYTRAX社が実施する国際空港評価(World Airport Awards)のLCCターミナル部門(WORLD’S BEST LOW-COST TERMINAL)において2年連続(2016、2017年)で1位を受賞している。

オープンから2年半が経過し、予測を上回るLCCの成長により、乗客が集中する時間帯の出発ロビー等では、手続き待ち行列の長大化等混雑が発生しているため。そこで今回、より使いやすく、快適に利用できるよう、第3ターミナルの機能を強化することとした。

  • 「インラインスクリーニングシステム」や「スマートセキュリティ」を導入

    「インラインスクリーニングシステム」や「スマートセキュリティ」を導入

現状の第3ターミナルは、到着した乗客が出発ロビー(2階)を通過してターミナル外へ移動する構造となっており、混雑の原因となっている。これを解消するため、2019年夏までに到着ロビー(1階)を増築し、出発動線と到着動線の分離を図る。また、増築する到着ロビーがターミナル連絡バス乗降場と直結されることで、スムーズにターミナル連絡バスを利用できるようになる。

  • 「スマートセキュリティ」の仕組み

    「スマートセキュリティ」の仕組み

国内線と国際線の保安検査場に第1,2ターミナルでも導入を進めている、より高度で効率的な保安検査機器(スマートセキュリティ)を2019年度末までに導入する。保安検査の手続きにかかる時間を短縮することで、混雑の緩和を図り、より快適に利用できるようにする。

現在、第3ターミナルの受託手荷物の保安検査は、保安検査員がX線検査装置にて手作業で行っている。これに代わり、手荷物搬送システムと検査機器を一体化し、搬送中に爆発物等の危険物を自動的に検査する「インラインスクリーニングシステム」を2019年度末までに導入する。これにより、チェックイン手続きにかかる時間が短縮されるとともに、高度なセキュリティレベルの確保が両立できる。