インデックスファンドとアクティブファンドの違い
休憩をはさんだ第2部では、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏の司会のもと、「しっかり資産を育てる商品選びとは? 」と題したパネルディスカッションが行われた。登壇したのは、第1部で投資について語った藤野氏と、投資信託の評価会社モーニングスターの坂本浩明氏だ。
竹川氏からiDeCoの基礎知識が簡単に説明されたのち、坂本氏によってインデックスファンドの特徴と留意点が語られた。投資信託には、大きくわけて"市場全体を買う"インデックスファンドと、"ファンドマネージャーの運用方針に基づく"アクティブファンドが存在すると同氏は述べる。
インデックスファンド(パッシブファンド)は、日経平均株価などのベンチマークと同じような動きをするように運用されるのが基本だ。ニュースなどで伝えられる株価によって値動きが分かるため、非常にわかりやすい。また、わかりやすいメリットとして信託報酬、いわゆる手数料が安いという特徴がある。
アクティブファンドは、ベンチマークを上回るパフォーマンスを目指して運用される。第1部で藤野氏が説明したのは、アクティブファンドの運用だ。運用がうまくいっているときは日経平均株価をよりも高いパフォーマンスがあるが、うまくいっていないときは下回ることもある。信託報酬はインデックスファンドに比べて高い。
一方で、市場平均を上回るパフォーマンスを出しているアクティブファンドは、実際には少ないのだという。優良なアクティブファンドを選べば高いパフォーマンスが期待できるが、判断できないようならば、インデックスファンドが良いかもしれないと坂本氏は説明する。
また信託報酬の違いも長期で見ると大きな差につながる。同氏は「信託報酬というコストの差には、ぜひ敏感になってほしい」と来場者に伝えた。かのウォーレン・バフェットも、自身の遺産を運用するにあたり、90%をコストの低いインデックスファンドに投じるよう遺言状を残しているという。
投資の専門家がセミナー参加者に送るアドバイス
最後に坂本氏は、来場者に向けて「DC(確定拠出年金)専用のファンドでは、信託報酬がより安く設定されており、普通のファンドよりもコストを抑えて運用できますので、ぜひ活用すべきだと思います。値上がりするファンドを選ぶというのは非常に難しいものです。ですが、コストは唯一パフォーマンスを占うことができる要因であり、必ず皆さんの運用に影響してくる部分ですから、大事にしてほしいと思います」とアドバイスを送る。
また藤野氏は、「まずiDeCoに入られることをおススメします。これは非常に有利な制度で、とくに所得控除ができるというだけでも有効です。なにに投資するかという点については、自分の好き・嫌いで選ぶべきです。なぜかというと、好き・嫌いには損得も含まれているからです。ファンドや会社の中身を見て判断しましょう」と、今回のセミナーについてまとめた。
さまざまなメリットを備えたiDeCoだが、やはり優良な商品選びは難しい。iDeCoを使った資産運用をお考えの方は、ぜひSBI証券のセミナーに足を運んでみてほしい。きっと大きなヒントを得られるはずだ。