SBI証券が11月11日に都内でセミナー「iDeCoセミナー実践編 プロが教えるiDeCo (個人型確定拠出年金) 運用商品選びのポイント」を開催した。会場にはiDeCoを利用した資産形成を考える多くの方が参加し、熱心にその話を聞いていた。本稿では、セミナーで語られた貴重なアドバイスの一部を紹介する。

さまざまなメリットを備えたiDeCo (個人型確定拠出年金)

iDeCo (個人型確定拠出年金) とは、加入者が毎月の掛金を積み立て、あらかじめ用意された金融商品を選ぶことで運用、運用成果に応じて60歳以降に需給が開始される仕組みだ。

NISA(少額投資非課税制度)との大きな違いは、掛金が全額所得控除の対象となること、そして運用益が非課税となること、そして退職所得控除や公的年金等控除を受けられることの3つ。公的年金に上乗せして老後資金の準備ができ、さらに税制メリットも備えているということだ。その有用性から、セミナーには大勢の来場者が集まった。

始めにSBI証券の橋本隆吾氏が、現在iDeCoで選択される人気の金融商品「ひふみ年金」について説明。NISAや課税口座においても「ひふみプラス」の販売が好調であることを伝え、「長期投資を考えるうえで、ひふみ年金、あるいは投資に関する考え方等をセミナーで学んでいただけたらと思います」と挨拶した。

好評を博しているSBI証券の「ひふみ年金」、「ひふみプラス」について説明する、株式会社SBI証券 執行役員 橋本隆吾氏

投資の重要性と選ぶべき投資先

セミナー第1部では、テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」で多くの方に知られるようになった、レオス・キャピタルワークスの藤野英人氏が登壇。ファンドマネージャーとして28年間働いてきた投資の専門家である同氏は、統計をもとに日本人の「投資嫌い」について警鐘を鳴らす。1万円札の原価は20円であり、現金の価値は人々が作っていることを説明。「多くの人はお金がリアルで株式がバーチャルだと思っていますが、実際は逆で、お金こそがバーチャルなんです」と語り、投資の重要性を説いた。

レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役社長 藤野英人氏

さらに、2002年12月から2012年12月の間に株価が上昇した企業の96%が中小企業であり、日本の株価の足を引っ張っているのは、実は上場企業だという自論を展開。会社の規模に関わらず、来年以降も確実に成長する企業に投資することが大切と説明した。「企業への投資とは、人の可能性への投資です。社員がニコニコ、イキイキしている会社に投資しましょう」と同氏は話をまとめる。

藤野氏は、「すべては投資で成り立っており、店員への何気ないあいさつもまた人への投資、『自分の会社が好きだ』という人が多い企業が成長する」と語る