電通は11月7日、「みんなのダイバーシティ調査」の結果を発表した。調査は9月13日~14日、全国の15歳~70代の男女978名を対象に、インターネットで行われた。

同調査は、多様な個性を受け入れ、認め合い、生かしていくダイバーシティ&インクルー ジョン(多様性の受容)社会の実現が求められる中、ダイバーシティを身近に感じるきっかけを提供することを目的に、NPO法人ピープルデザイン研究所主催の「超福祉展2017」の協力、慶應義塾大学中野泰志教授の監修のもと行われたもの。

4割が「暮らしにくさ」を実感

「ダイバーシティ&インクルージョン課題の経験について」

「直近1年間に、性別や身体的なことなど、自分の特徴が理由で、何かをできなかったり、不便だったり、孤独に感じたことはありますか?」と聞いた結果、全体の約4割(37.5%)の人が、社会的な環境が整っていないことで自分の特徴が弱みになったり、不便につながるなど、日常生活の中で暮らしにくさを抱えており、「ダイバーシティ&インクルージョン課題に直面している」ことがわかった。

若い世代ほどLGBTを理解

「LGBTについて」

次に、LGBTについて調査を実施した。その結果、LGBTの認知度は40.7%。身近な人からカミングアウトされた場合に「受け入れられる」と回答した人の割合を年代別に見ると、最も高かったのは10代で39.3%、最も低かったのは40代で14.1%だった。そのほか「同性パートナーシップ条例に賛成する」や「偏見を持っていない」「LGBTの活動を応援したい」などの質問に対する結果を見ても、全体的に10代がかなりLGBTに対してオープンな傾向にあり、一方40代はスコアが低い項目が多い結果となった。

また、職場における「LGBTをはじめとした性的マイノリティーの人」に対する状況を聞いたところ、「フレンドリーな雰囲気がある」は4.2%、「カミングアウトしやすい環境である」が3.8%、「フレンドリーな制度がある」が2.3%など、いずれも5%未満だった。

障害者への接し方がわからない若者

「障害者について」

続いて、障害者についても聞いたところ、若い世代ほど「障害のある方と、どのように接したらよいかわからない」と感じている上に、「自分にできることがあるか聞くことができない」という傾向が明らかとなった。

また、「朝の通勤ラッシュに、車いすが乗ってきて狭くなったと感じたことがある」という人は、16%。その原因はどこにあると思うか聞いたところ、最も多かった回答は「車いすの『人』自身」で、48.4%と半数近くにのぼった。以降、「朝のラッシュ時に乗らないといけない『事情』」(47.4%)、「通勤時間を選べない『社会的制度/風潮』」(38.6%)、「スペースがない『インフラ/環境』」(34.8%)と続いた。

高齢者に手助けする人、40代はわずか12.3%

「高齢者について」

高齢者については、年代が上がるほど高齢者に接する機会が多い傾向が判明。また、「街中で移動に困っているお年寄りに声をかけたり手助けをする」という人の割合を年代別にみると、10代の21.1%から徐々に下降し、40代では最低の12.3%までに減少。そこからまた上昇し、60歳以上では23.9%となった。

外国人を助けたくても……

「外国人について」

外国人について聞くと、話しかけられるのが怖くて思わず目をそらしてしまったことがある人は25.0%と、4人に1人。一方、「外国人が道などで困っていたら助けたい」という人は57.0%と、半数を超えた。