どん底に行ったら上がるだけ

――ご自身で完成した『氷菓』を観られての感想はいかがでしたか?

正直、いつも作品は客観的に観れないんです。その時は一番いいと思ってやったことも、時間をおいてスクリーンで見ると「ああすればよかった」と考えてしまったり。1回気になったら止まらなくなって、どんどんネガティブになって落ちていくパターンは、よくあります(笑)。

――落ち方が結構豪快なんですね。

そうなんです。緩やかじゃないんです(笑)。どーん! って、垂直に落ちていきます。

――そういう時はどうやって上がるんですか?

どん底に行ったら上がるだけなので、上がるのを待つ! 最悪な時が来たら開き直るか、無になるか、どちらかですね。単純なんで、小さい嬉しいことで気持ちが上がるのをわかってるんです。何かいいことが起こるまで待とう! と思っています。

――自分で対処法がわかってると、いいですよね。

周りにいい友達が多くて、客観的に「待ちなさい」とアドバイスをくれました。

役の幅が広がる20代

――最近は社会人の役も多いですが、今回は高校生の役ということで。

撮影でいうと、『新宿スワンII』のキャバ嬢役をやった後だったので、すごく違和感はありました。その前まで髪の毛をふわふわにしてキラキラした世界にいたのに、急に制服を着た世界に来て、ドキドキしていました。20歳を超えてから、学生の役がぴたりとなくなって、いろんな大人の役をやらせていただくようになったので、久々に制服を着ました。制服を着て、10代の時に一緒だったメンバーとまた撮影ができて、初心に戻れた感覚です。学生の時みたいに、わちゃわちゃして「イエーイ!」って感じでした(笑)。

――20代になってからの役柄の変化についてはいかがですか?

役の幅が広がったのが、1番大きいです。妊婦の役や既婚者の役だったり。20歳を超えてからなので、今までの「明るくて元気な学生」というイメージから、一歩外に出たかなという感じがします。

――今後こんな役をやってみたいというのはありますか?

極端な役をやりたいです。悪い役をやりたいですし、ぶっ飛んだコメディもやりたいですし、とにかく今は自分の引き出しを増やしていこうという感じです。1回、嫌われてみたいです(笑)。バラエティなどでのイメージもあると思うので、イメージもすごく壊せるような役がやってみたいなって。

――それでは最後に、『氷菓』の中でこのシーンをぜひ見て欲しいというとところを教えてください。

飛騨高山の風景が、すごく綺麗なんです。私が出ていないシーンですが、奉太郎と里志が自転車で走っていくところの景色がすごくきれいで。こんなところで撮影したのかって嫉妬するくらい、綺麗でした。千反田の家もすごく大きいんですけど、どこか古くて深みがあって。映画を観ながら、ゆったりとした穏やかな時間を過ごしていただけるんじゃないのかなと思います。

――また飛騨高山に行くとしたら、ここに行きたい、というところはありますか?

飛騨牛が食べたい! おいしかった~! 私、お肉が大好きすぎて、胃もたれという言葉を知らないんです。お肉でおなかいっぱいにしたいです(笑)。