日本で知らない人はほぼいないというほどの人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称"こち亀"。その舞台となっている亀有(東京都葛飾区)は、まさにこち亀とともにある街である。その銅像は増えに増えて、現在では15体。今年は早くも寒い日々となりながらも"運動の秋"と意気込み、銅像マップを片手に散策しつつB級グルメを探してみた。
今日も両さんは元気いっぱい!
JR常磐線「亀有駅」は、西日暮里駅から乗車時間わずか13分程度の距離にある。荒川と中川に挟まれた地域の中川寄りにあり、それらの川は東京湾へと流れこんでいる。都心から向かうと電車は広々と開けた荒川の上を横切っていくため、そこから別世界に移っていくような感覚があった。
「亀有に行く」と言えば、合いの手のように「両さんの」という言葉が続く。こち亀は、昭和51(1976)年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、2016年9月に幕を閉じたという長寿漫画だ。亀有はその舞台であり、作者である秋本治さんの出身地でもある。そんなわけで2006年に第一号の銅像「両津勘吉像」が建立されたのだが、その活動の中心になったのは商店街と神社であるというから面白い。ちなみに、この神社(亀有香取神社)にも両さん像が設置されている。
建立された銅像は、2017年現在で15体。7つの商店街と神社にまんべんなく設置されている。ベンチに一緒に座って写真を撮れる両さん像から、麗子や中川圭一といったメインキャラの像などもあり、いずれも個性的だ。全てを制覇するためには、駅の改札口で「両さん銅像めぐりマップ」を入手しよう。
北口にはあの交番も!?
北口にある銅像は5体。第一号「両津勘吉像」は探すまでもなく目の前に登場する。これは人間と同等の大きさだが、その他の像の中には意外と小さいものもあるため、見逃さないようにしたい。
北口には、漫画の中で見たことのあるような交番や「亀有公園」もある。特に交番は、街の再開発でも「これは残してほしい」という人々の声から取り壊さず、そのまま今も使われているという。
亀有公園前派出所のモデルとなった「亀有駅北口交番」。警視庁のホームページでは「アニメに登場する交番によく似ていると言われる」とのこと。たまたま、お年寄りが「○○はどこですか?」と尋ねているところに遭遇したのだが、おまわりさんは元気な笑顔で対応していた。何となく、こち亀の雰囲気に似たものを感じられた |
いざ歩き出せば、マップを片手に歩く人は予想以上に多い。外国人も多い。「シャッターを押してくれ」から始まるプチ国際交流もできてしまう。誰もがマップ内の狭い範囲をウロウロと歩き回っているため、何度も同じ人と出会うこともある。
4体目「ひとやすみ両さん像」では、両脇に座って写真が撮れる。筆者はここで、こち亀ファン度の高そうな外国人とプチ国際交流を果たした |
公園を見守っている両さんだが、きっと誰かが遊び始めたら立ち上がって仲間に入ってくるに違いない |
南口は銅像ラッシュ!?
南口には10体の銅像がある。どの角度がインスタ映えするか、などと考えながら撮っても面白いかもしれない。
香取神社の向かいにあるショッピングモール「アリオ亀有」3階には、「こち亀ゲームパーク」がある。派出所を再現し、両さんの机の引き出しやロッカーの中まで見ることができる。立ち寄ってみよう。
これだけ歩けばおなかもすく(と言っても1時間程度で巡れる距離ではあるのだが)。歩きながらサクッと食べられるグルメをいくつか紹介しよう。