新エンジンの“走る歓び”は

ではSKYACTIV-Xの走りはどうか。それを体験する舞台が用意された。「アクセラ」に新エンジンを積んだ試作車をテストコースでドライブできたのだ。しかも6速のMT(マニュアル)とAT(オートマティック)の2種類のトランスミッションを乗り比べることができた。

<新エンジン搭載車の走行シーン(動画提供:マツダ)>

高圧縮比というとディーゼルのような音が連想される。しかし、SKYACTIV-Xのアイドリングは静かで、走り出しても既存の2リッターガソリンエンジンに比べて不快なノイズがうまくシャットアウトされ、心地よく感じられた。

これはエンジン側に遮音対策を施してあることが大きい。ボンネットを開くと、エンジンをカプセルのように覆うカバーが見えた。これにより、不快な音を外に出さないようにしているのだ。

エンジンはカバーで覆われている(画像提供:マツダ)

力強い加速が印象的、軽量化が課題か

加速については、特に2,000~3,000回転あたりでアクセルペダルを踏み込んだときの力強さが印象的だった。逆に言えば、高回転でドラマティックな吹け上がりを見せるわけではない。ATのほうが似合うキャラクターだ。

SKYACTIV-Xは常に圧縮着火で走っているわけではなく、状況によって点火着火も使う。MT車では切り替えによって力感が変わったことが分かったものの、AT車ではほとんど判別できなかった。この切り替えの境目についても今後熟成を重ね、スムーズにしていくとのことだった。

気になる点を挙げれば重さになるだろう。2リッター自然吸気のSKYACTIV-Gに比べると、SKYACTIV-Xエンジンは重い。それがハンドリングからもうかがえた。2019年の発売までに、ここをどう改善するかに注目したい。